ロッテ佐々木朗希投手(20)の歴史的快投による“狂騒曲”が終わった。海外からも注目された17イニング連続パーフェクト、打者52人連続アウトは、プレーボール直後にオリックスの1番福田周平外野手(29)に安打され途絶えた。際どい判定もありプロ入り後自己最多の5四死球を出したが、5回2失点でしのぎ今季3勝目。試合終了時点では次回先発日は未定。この日の学びを次なる進化につなげる。

佐々木朗が珍しく制球を乱した。2死球に、ストレートの四球もあった。1試合5四死球は高校3年以降で初めて。「苦しい形に自らしてしまうことが多かった」。少なくとも、打者52人を立て続けに封じた圧倒ぶりはこの日に限っては見られなかった。

大記録は初球で終わったものの、初回は15球を投げボール球は2球のみ。オリックス打線の対応が上回ったが、2回から空気が微妙に変わる。ボール球の後に、球審が少し詰め寄る場面があった。2死二塁のピンチ。「しっかり打ち取ることを優先しなきゃいけないと思うので。最後、ゾーンで勝負できて良かったと思います」と、安達を遊ゴロに仕留めた。

苦しみながら3、4回をしのいだが、5回は24球中11球がボール球に。福田、西野と2者連続で3球連続ボール球となったのはプロ入り後初めてで、2失点に直結した。4戦ぶりのビジター登板。「マウンドの変化でなかなか対応が難しかった」と話し「傾斜だったり(ドームで)風がなかったり」とした。

昨年は「心と体をコントロールすること」と年間目標を掲げていた。「心をコントロールできないと、投手なのですぐボールに出ちゃうと思うので」。いくら世界的な記録を打ち立てても、まだ20歳。1軍公式戦では通算20試合も投げていない。パフォーマンスに影響しうる外的要因は、これからもっと現れる。

苦しくとも白星へ導くことが、1軍の先発投手の責務だ。3勝目にも「チームが勝ってすごく良かった」とホッとひと息。7回に3番手田中靖が満塁のピンチをしのぐと、最前線で仲間たちを迎え入れた。中6日の先発が5度終わり、次回登板日について井口監督は「明日以降、リカバリーを含めて考えていきます」と話すにとどめた。長い1年、これをどう次につなげるか。修正、進化に期待はまた高まる。【金子真仁】