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Sunday, May 7, 2023

新王政が新たな変化のチャンス? ロイヤルファッションの未来を予測 - ELLE JAPAN

英国王室について世に理解されていることの多くは、そのイメージからきている。城や宮殿、競馬、ガーデンパーティー、ロイヤルメンバーに対して旗を振る観衆、そして「ランドローバー」......。だからこそ、何を選んで身に着けるかが重要なのだ。

ロイヤルファッションは、最先端のオートクチュールだけで構成されているわけではない。長年のお気に入り、お手頃価格のハイストリートブランド、ヘリテージのあるアイテム、旬のデザイナーをミックスさせている。そこにはカジュアルさと群衆の中で際立つためのカラーパレットを備えた完璧なエレガンスを融合させている。

君主制が新しい時代に入り、王室は何年にも渡ってタブロイド紙の主題となり、国民生活費の危機の中で、そのイメージはかつてないほど重要になり、より綿密に精査されている。現地時間5月6日(土)にウェストミンスター寺院で正式に戴冠式を行うチャールズ国王は、彼の治世が“スリム化された”先鋭チームで構成され、彼の長年にわたる環境意識とそのキャンペーンが中心になることを望んでいると長い間表明してきた。

今では、チャールズ国王がサヴィル ロウの「アンダーソン & シェパード」をこよなく愛し、所有している靴のソールを頻繁に交換していることは有名。しかし新聞を埋めるのは彼の服の話ではなく、彼を取り巻く家族や女性の話だ。

on dressing the royals 2022

Max Mumby/IndigoGetty Images

チャールズ国王の義理の娘、キャサリン皇太子妃が2011年にわずか29歳で王室に加入して以来、彼女が着用する全ての服が観察され、記事化され、記録されてきた。彼女は、自身が持つ称号とそれに付随する特権をほのめかす以上の願望と、堂々とした姿勢を維持しながら、親しみやすく、認識しやすいタイプのコーディネートの代表となった。女王の死後、新しい称号を獲得して以来、キャサリン皇太子妃は、新婚の際に着ていた「LK ベネット」のシューズやシースドレスから変化を遂げ、「エポニーヌ ロンドン」や「キャサリン ウォーカー」など、公務員の幹部のようなより洗練されたシルエットを通して自信を示している。

キャサリン皇太子妃は、義父や持続可能性の重要性を擁護する私たちの多くと同様に、頻繁に衣装を着回しており、その度に英国のマスコミによって取り上げられている。しかし、彼女が何度も着用するのは個々のアイテムだけではなく、彼女に協力する信頼できる忠実なデザイナーの面々でもある。

キャサリン皇太子妃は親しみやすく、認識しやすいタイプのコーディネートの代表となった

ただし、キャサリン皇太子妃をスタイリングすることには、ほとんどの人にとって想像し得ない独自の外交が伴う。ウィリアム皇太子は、2022年9月に女王が亡くなった後、法定相続人に昇進したことに加えて、10億ポンドの価値があるコーンウォール公領も相続した。セレブリティはデザイナーからの贈り物を受け取ることでよく知られているが、ロイヤルメンバーは受け取ることはない(ただし、大幅な割引が適用されるとの噂はある)。

近年、キャサリン皇太子妃がお気に入りのデザイナーの名前は、王族やファッション全般に少しでも関心のある人なら誰でも知っている。ロンドンの王立公園ケンジントンガーデンズ内のサーペンタイン・ギャラリーでショーを開催したことで知られる「ロクサンダ」は、王室の職務を引き受けて以来、主力デザイナーとなっている。デビュタントな着こなしを現代的に取り入れた「エミリア ウィックステッド」もまたお気に入りで、3月に着用した「アーデム」のフローラルスーツは、ブランドの地位を確固たるものにした。

dressing the royals 2023

Chris JacksonGetty Images

そしてもちろん「アレキサンダー・マックイーン」だ。英国ファッション界を代表するブランドは、キャサリン皇太子妃が2011年4月の結婚式で、現在のクリエイティブ ディレクターであるサラ・バートンがデザインしたカスタムドレスを選んだとき、ブランドが英国王室という巨大組織の中心にあることに気付いたことだろう。それ以来、「アレキサンダー・マックイーン」はキャサリン皇太子妃にとって頼りになる存在として、公の場やロイヤルツアーのためのオーダーメイドを担当している。

キャサリン皇太子妃のお気に入りデザイナーのグループに入る者は、世界中での売り上げとブランド認知度の向上から、「ケイト効果」の恩恵を受けている。しかし、君主の変化と、英国人が王室について抱く考えの変化は、生活費の危機の中での資金調達をめぐる透明性の高まりと相まって、デザイナーと王室が協力していく方法が変わっていくことを意味するのか?

戴冠式に合わせて実施された最近の世論調査では、君主制への支持が低下しており、若いイギリス人は年配層と大きく考えが異なっていることが明らかになった。平均して、イギリス人の58%が君主制はイギリスにとって良いと考えているが、18歳から24歳までの年齢層になると、その数字はわずか32%に低下する。

君主の変化と、英国人が王室について抱く考えの変化はデザイナーと王室が協力していく方法が変わっていくことを意味するのか?

新しい時代に移行するにつれて、ロイヤルメンバーが過去に着用したかどうかにかかわらず、一部のブランドは、王室との提携が前向きな見方で見られるかどうか疑問視するだろう。

「ケイト効果」は、2010年11月16日にウィリアム皇太子とキャサリン皇太子妃が婚約を発表したときに始まった。当時28歳だったキャサリン皇太子妃がこの日のために選んだサファイアブルーのラップドレスは未だに多くの人が覚えているだろう。義母である故ダイアナ妃が所有していたサファイアリングと合わせてスタイリングしたことは明らかだった。しかし、このドレスが一躍有名になったことで、ネガティブな影響を受けてしまった人がいることを知る人は少ない。ドレスをデザインしたブランド「イッサ(ISSA)」は、知名度を一気に高め、富を築き上げるはずだった。しかし、それから5年も経たないうちに、このブランドは閉鎖に追い込まれた。

dressing the royals 2023

Chris JacksonGetty Images

デザイナーのダニエラ・ヘラエルは2006年にブランドを立ち上げ、その年のロンドン・ファッションウィークで初めてショーを行った。婚約の発表に続いて、ダニエラはある日の女王が重要な機会に「イッサ」を着ると聞いて驚いたと語った。2017年にダニエラは、「『イッサ』はニッチなブランドで忠実なファンがいましたが、2008年と2009年には深刻な財政難に陥りました」と認めている。「キャサリン皇太子妃があのドレスを着たとき、すべてが変わったのです」。その後発生した需要は、ブランドがそこに見合った生産資金を調達できないほどだったのだ。

近年、外交的な服装というのは、エリザベス女王やダイアナ妃の時代などに見られるような、国旗に敬意を表した色合いの着用を超えて、今では訪れる地域に拠点を置くご当地ブランドの洋服を​​着用することが重要となっている。このような新鋭ブランドが得るメリットはたいてい劇的なものであり、通常ロイヤルメンバーがイギリスに戻った瞬間に、「イッサ」と同様に生産の拡大が必要となる。2013年にリーアン&ガイ・ハンドルビーが設立したエディンバラ発のバッグブランド「ストラスベリー」もそのひとつで、キャサリン皇太子妃やメーガン妃が着用してきた。

外交的な服装というのは、国旗に敬意を表した色合いの着用を超えた

リアーンとガイは、ロイヤルメンバーが着用するアイテムがベストセラーとなり、需要を満たすために長いウェイティングリストが必要になったことは間違いないが、ロイヤルメンバーが着用しているのを見て初めてブランドを訪れた顧客からの強い支持も得ていると説明する。

英国王室は、イギリスの風景に溶け込んでいるかもしれないが、その影響力は実にグローバル。「ストラスベリー」は、海外、特にアメリカのラグジュアリー市場で531億ドルもの売上を記録している。「これまでで最大の市場だったアメリカや日本といった市場で存在感を示すことで、長期的なブランドの認知度を高めることができました。家族経営の小さなブランドである私たちにとって、これは非常に大きな意味を持ち、私たちのデザインと情熱をアピールできるグローバルなプラットフォームを提供することに貢献したのです」とリアーンとガイは話す。

dressing the royals 2023

WPA PoolGetty Images

ミニマルな美学とイギリスの伝統という現代のロイヤルのワードローブを定義する2つの要素から、「ストラスベリー」を選ぶことはキャサリン皇太子妃とメーガン妃にとって自然なことだった。「コンテンポラリーブランドとして、将来のレガシーを築き上げるために、彼らの支持を得ることができたのは素晴らしいことです」とリアーンとガイは続けた。「私たちのミニマルな美学は、コンテンポラリーでありながらタイムレスであり、私たちのバッグは長く大切に使っていただけるように作られています。私たちはロイヤルファミリーの素晴らしく刺激的な女性たちが、私たちのバッグを愛してくれることを願っていますし、単純に嬉しく思っています」

「ストラスベリー」と並行しているのが、ウェールズのデニムブランド「ヒウット(Huit)」だ。メーガン妃は、2018年に初めてウェールズを訪れた際に「ヒウット」のデニムを着用し、ブランドの知名度を瞬く間に世界的なものに押し上げた。

「メディアの関心は驚異的で、何日も電話が鳴り止みませんでした」と共同設立者のクレアとデイヴィッド・ヒアットは振り返る。「メーガン妃がはいたデニムは3カ月待ちで、すぐに作ることができず、しばらくベストセラーとなりました。需要が高まり、売り上げが急増したため、私たちはより大きな工場に移転し、新しい機械工を数名採用しました」

dressing the royals 2023

Karwai TangGetty Images

「ストラスベリー」も「ヒウット」も、王室御用達のブランドとしてよく名前が挙がるが、創業者たちはそれをプラットフォームの利点として活用している。レアとデイヴィッドは、「私たちは自分たちがロイヤルブランドであるとはあまり考えていません。2018年に波紋を呼びましたが、今のお客さまは意識すらしていないと思います」と冷静に分析した。

「その1年後くらいにメーガン妃とハリー王子に会ったとき、彼女は社会的あるいは環境的な意識を持った小規模で独立したブランドをサポートしたいと説明してくれました。確かに、彼女が私たちを支持してくれたことはとてもありがたかったです。彼女はブランドの選択において、伝統的で組織的なアプローチを取っていなかったからこそ、意識的にこのようなブランドを選んでサポートしていることは、私たちのブランドイメージの向上につながったと思います」とレアとデイヴィッドは話した。

ロイヤルファッションが今後どうなるかは、推測の域のままだが、キャサリン皇太子妃やカミラ女王が本日の戴冠式でのデザイナー選びで多くの答えを与えてくれるだろう。しかし、すべての変化と同様に新しい王政は、ロイヤルが現状から脱却し、サステナビリティ、包括性、手頃な価格に焦点を当てた小規模で独立したブランドを受け入れるチャンスとなる。キャサリン皇太子妃が「チョポヴァ ロウェナ」を着る日も近いかもしれない。

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