2023年12月27日 09時57分
カリスマ的といわれた宗教家の死が相次いだ。3月2日に幸福の科学の大川隆法総裁、10月16日に冨士大石寺顕正会の浅井昭衞会長、そして11月15日には創価学会の池田大作名誉会長が死去した。このうち、大川総裁は60代半ばであったので、今後の教団活動への影響は非常に大きいと考えられる。
10月にローマカトリックのシノドス第16回総会が開始された。世界代表司教会議と訳されるように従来男性中心の会議であった。だが教皇が初めて女性の投票権を認める考えを示し、日本からも2人の女性が議員団に加えられた。
日本仏教も変化が萌している。4月10日に東寺真言宗の大本山・石山寺で鷲尾龍華座主の晋山奉告法要、同月19日には真宗興正派の次期門主・華園真慶嗣法の就任式が行われた。座主や門主というと、高齢の男性が通例であるが、そのイメージを覆した。
昨年2月のロシアのウクライナ侵攻以降、東方正教会内の対立が日本でも知られるようになった。10月7日のハマスのイスラエル奇襲攻撃によって始まり、その戦いは第2次世界大戦後に顕著となったユダヤ教とイスラム教を対立的に捉える構図を強めかねない。
日本には正教徒、ユダヤ教徒、イスラム教徒、いずれも少数しか住んでいない。このことも関係して、身近なことと捉える日本人は必ずしも多くはないかもしれない。ただイスラム教徒のモスク建設や墓地問題になると、近隣の住民は大きな関心を寄せる。モスク建設への反対は弱まる傾向にあるが、イスラム教は土葬なので、イスラム教徒向けの墓地建設にはまだ抵抗が大きい。5月に大分県にある別府ムスリム教会が、地元とイスラム教徒向けの土葬墓地を作ることへの合意をようやく得た。
宗教界は大きな課題と直面する例が見られた。神社本庁は総長人事問題で、かつてないほど大きな内部の対立が生じた。浄土真宗本願寺派では新しい「領解文」を巡って、派内で大きな議論が巻き起こり、依然論議が続いている。
10月13日に文部科学省が世界平和統一家庭連合(通称・統一教会)に対する解散命令を請求した。政治への介入や霊感商法などに対して、社会が厳しい目を注いだ。また統一教会やエホバの証人の信者などが提起している「宗教2世」問題によって、宗教の名のもとに行われる子どもの人権侵害等へ強い批判が生まれている。
これらがそれぞれどういう方向に展開するのか。そのありようが、広くは宗教に対する日本社会の信頼に関わっていく。
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2023年の宗教界 大きな時代の変化を示す(12月20日付):中外日報 - 中外日報
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