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Sunday, July 9, 2023

変化を起こすためには最初に全員を説得しなくてもよい 抵抗を乗り越えるための戦略 | イノベーションDIAMOND ... - DIAMOND ハーバードビジネスレビュー

変化を起こすためには、最初に全員を説得しなくてもよい

FG Trade Latin/Getty Images

サマリー:アイデアを軌道に乗せるポイントは、全員の賛同を得ようとしないことだ。変革を強制するよりも、変革に前向きな人々を見つけて支持を広げるほうが効果的だということが多くの研究で明らかになっている。アイデアを売... もっと見るり込むよりも成功を売り込むことが重要なのである。本稿では変革に成功した事例を交えながら、小さく始めることの重要性を解説する。 閉じる

アイデアを軌道に乗せるポイントは、全員の賛同を得ようとしないこと

 人は変化を恐れるものだと、しばしば言われる。しかし、筆者はこれまで世界のさまざまな場所で講演したり、企業幹部に助言したり、ワークショップを実施したりしてきたが、その経験から言うと、ほとんどの人は変化に非常に前向きなように見える。

 企業幹部たちは、自社の未来について素晴らしいビジョンを語る一方で、社員が支持してくれないと不満をこぼすことが多い。それに対し、ミドルマネジャーたちは、自分たちがせっかく画期的なアイデアを提案しているのに、上司が賛同してくれないと語ることが多い。

 問題は、人々が自分のアイデアには強い熱意を持つ半面、ほかの人たちのアイデアには抵抗しやすいということだ。とりわけ、変化を強引に押し付けられているように感じた時は、そのような反応を示す傾向が強い。変革を目指す取り組みの大半が失敗に終わる主たる理由は、この点にある。リーダーたちは往々にして、最初からすべての人を説得しようとするあまり、「切迫感」を醸し出して、変革が避けて通れないものだと思わせようとする。それが裏目に出るのだ。

 このようなアプローチは、大企業だけでなく、中小企業でも適切なものではない。最初に大がかりなキャンペーンを展開して、変革に乗り出そうとすれば、過半数の人の賛同を取りつけるよりも、人々の抵抗を招く可能性のほうが高い。そもそも、そのようなキャンペーンは不要だ。過去何十年もの研究の積み重ねによると、あるアイデアを軌道に乗せるためには、必ずしもすべての人の同意を得る必要はないのだ。この点を認識すれば、大きなインパクトをもたらす変化を生み出せるだろう。

危機感を煽る手法は本当に有効なのか

 一般的にマネジャーは、新しい取り組みに乗り出す際、はじめから大々的に始めようとする人が多い。莫大な予算を確保し、社内で強い影響力を持つ幹部の後押しを得て、大規模な立ち上げイベントを企画し、その後は、素早く前進し、活動の規模を拡大させ、早い段階で何らかの成果を挙げようとする。こうしたアプローチはすべて、変革への切迫感を生み出して、変革が不可避なものだという印象をつくり出すことを目的としている。しかし、強圧的だという印象を持たれてしまう場合も多い。

 コンサルティング大手プライスウォーターハウスクーパース(PwC)の2014年の報告書によれば、大企業で働いている人の65%は、変化に対して疲れを感じていた。また、44%は、自分たちに求められている変化についてよく理解できないと述べており、その変化に賛同できないという人も38%に達した。さらに新しいところでは、コンサルティング大手ガートナーの2020年の調査によると、コロナ禍の下では、変化疲れの起きやすさが2倍に跳ね上がった。ソフトウェア比較プラットフォーム大手のキャプテラによる2022年の調査でも同様の結果が得られている。

 幸いなのは、変化を軌道に乗せるには、過半数の人の賛同を得る必要はないということだ。長年の研究によると、半数に満たない人の支持でも十分だということがわかっている。

・社会学者エベレット・ロジャースの「S字カーブ」理論によると、システムを構成する10~20%の人がイノベーションを採用すれば、過半数の人たちによる採用が急速に進むという。

・過去1世紀の間に起きた300以上の政治的革命を分析した米国政治学者でハーバード・ケネディスクール教授のエリカ・チェノウェスの研究によると、人口の3.5%が積極的に参加するだけで革命は成功するという。多くの運動は、さらに少ない割合の人たちが参加するだけでも成功を収めているとのことだ。

・社会学者でペンシルベニア大学教授のデーモン・セントラが最近行なった研究によると、変化への臨界点は、組織内の25%の人が賛同することらしい。

 以上のような点を考えると、最初の段階では、懐疑的な人たちを説得しようとするのではなく、すでに変革に前向きな気持ちを抱いていて、変革の成功を望んでいる人たちを見出すほうがはるかに有効な戦略なのだ。

局地レベルの多数派を形成することから出発する

 2014年、1700人の教職員を擁する2年制大学アマーリオ・カレッジの学長に就任したラッセル・ロウリーハートは、厳しい状況に置かれていた同カレッジの大変革に乗り出した。ただし、いきなり大々的に変革を打ち出すことはしなかった。まずは、わずか6人の学生および少数のスタッフとともに新しい取り組みを始めたのだ。すると、同カレッジは2021年、栄誉ある「アスペン研究所卓越コミュニティカレッジ賞」へのノミネートを果たし、2023年にはこの賞を受章した(公正のために情報を開示しておくと、筆者は2022年4月に同カレッジでワークショップを行ったことがある)。

 全体から見れば、最初に新しい取り組みを始めたグループはごく小さな少数派にすぎなかった。しかし、そのグループのメンバーが集まる会合の場では、過半数の人が変革の成功を望んでいた。このように、局所レベルの多数派(たとえば、5人のグループにおける3人)から次第に支持を広げていき、一見すると小さな土台から出発して組織全体に変化を起こすことは、常に可能だ。逆に、人は少数派になるとたちまち逆風を感じる。

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