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Saturday, January 14, 2023

AWSが「世界一」に日本のベンダーを選出、日本のSI業界変化の光明になるか - ITpro

全1981文字

 「日本のクラウドベンダーがAWSの世界一のSIerとして選出」――。そう聞いたとき、正直驚いた。米Amazon Web Services(アマゾン・ ウェブ・ サービス、AWS)が2022年11月28日(米国時間、以下同)から12月2日にかけて、米ラスベガスで開催した年次イベント「AWS re:Invent 2022」での出来事だ。

 AWSは毎年優れたパートナー企業を表彰している。2022年も同様に「AWS Partner of the Year」で、世界中のパートナーから複数の部門で企業を表彰した。その中でも優れたSIerとしてAWSを活用したシステムインテグレーションビジネスで貢献したパートナー企業を表彰するのが「SI Partners of the Year」だ。この表彰において、AWSは日本のクラウドベンダーであるクラスメソッドをグローバルでトップのパートナー企業として選出した。

パートナー基調講演で「GLOBAL」の欄にロゴが示された

パートナー基調講演で「GLOBAL」の欄にロゴが示された

(画像:AWS re:Invent 2022の基調講演を日経クロステックがキャプチャー)

[画像のクリックで拡大表示]

 選出の基準は、売上高や案件創出数、AWS認定資格の取得数などだ。その他、選考過程では第三者機関による審査も入る。

多重下請け構造による課題とあわせて見えた希望

 記者は2022年10月に「懲りないIT業界、悪弊を正せるか」という特集で、日本のIT業界の慣習として長年はびこる「多重下請け構造」や「ベンダーロックイン」について取材をした。

 取材を通じて、日本のIT業界で本来は効率化を求めて生まれたはずの「下請け」構造は、気づけば中抜きによるコストの高まりや責任所在の不透明化につながっていることを痛感した。さらには、業務にシステムを合わせるような発注やベンダーへの丸投げなどの慣習から、いつのまにかシステムは発注し続けてきたベンダーしか触れないような状態となる現状についても課題感を持った。

 こうした課題の改善策にも考えを巡らせていた中で、今回の発表は個人的にも希望が湧くものとなった。今回選出されたクラスメソッドは、クラウドSI事業を2009年ごろに始めたという。クラスメソッドの横田聡社長は「(2009年の当時から)社員数は10倍、売り上げは100倍、利益は1000倍になった」と話す。クラウドの普及を追い風に会社を大きく成長させた。

 AWSは2011年から東京リージョンを開設するなど日本に本格的に参入しており、クラスメソッドはクラウド市場が新たに生まれるタイミングで先行者としてクラウドインテグレーションビジネスに参入していたことも成長の大きな背景だ。しかし、同社の顧客獲得方法や所属するエンジニアの育成・企業文化の醸成なくしては、ここまでの企業成長はなかっただろう。

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