南海トラフで巨大地震が起きる可能性を評価する定例の検討会が開かれ、「特段の変化は観測されていない」とする見解をまとめました。
専門家でつくる検討会は、南海トラフの想定震源域やその周辺で観測されたデータを分析しました。
巨大地震の想定震源域にあたる地域では、先月(9月)以降、目立った地震活動はありませんでした。
一方、今月(10月)2日には想定震源域から南にある鹿児島県の大隅半島東方沖を震源とするマグニチュード5.9の地震があり、宮崎県で震度5弱の揺れを観測しました。
この地震は、プレートの境界で発生した地震でしたが、想定震源域から外れているうえ地震の規模も小さいことから影響はほとんどなく、プレート間の固着状態に特段の変化を与えるものではないとしています。
また、想定震源域やその周辺では、「深部低周波地震」と呼ばれる小規模な地震が、▼四国中部や西部では先月1日から13日にかけて▼紀伊半島西部では先月28日から今月3日にかけて観測されたほか、▼紀伊半島北部では先月30日から継続して観測されています。
これに伴って、周辺の複数の「ひずみ計」でわずかな地殻変動が観測され、想定震源域のプレートの境目が深いところでゆっくりとずれ動く「短期的ゆっくりすべり」が原因とみられるということです。
深部低周波地震や短期的ゆっくりすべりは想定震源域やその周辺でたびたび観測されているということで、検討会は「大規模な地震の発生の可能性が平常時と比べて相対的に高まったと考えられる特段の変化は観測されていない」とする見解をまとました。
検討会の会長で、東京大学の平田直 名誉教授は、「変化は観測されていないがいつ巨大地震が起きても不思議ではない状態に変わりないことを思い出し、引き続き地震の発生に備えてもらいたい」と話していました。
南海トラフ巨大地震の評価検討会「特段の変化は観測されず」|NHK 和歌山県のニュース - nhk.or.jp
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