南海トラフで巨大地震が起きる可能性を評価する定例の検討会が開かれ、「特段の変化は観測されていない」とする見解をまとめました。
専門家でつくる検討会は、南海トラフの想定震源域やその周辺で観測されたデータを分析しました。
巨大地震の想定震源域にあたる地域では、先月(8月)以降、目立った地震活動はありませんでした。
一方、想定震源域やその周辺では、「深部低周波地震」と呼ばれる小規模な地震が、▼四国西部では先月8日から14日にかけて、▼四国中部では先月23日から30日にかけて、▼四国東部では先月15日から20日にかけてそれぞれ観測されました。
これに伴って、周辺の複数の「ひずみ計」でわずかな地殻変動が観測され、想定震源域のプレートの境目が深いところでゆっくりとずれ動く「短期的ゆっくりすべり」が原因とみられるということです。
深部低周波地震や短期的ゆっくりすべりは想定震源域やその周辺でたびたび観測されているということで、検討会は「大規模な地震の発生の可能性が平常時と比べて相対的に高まったと考えられる特段の変化は観測されていない」とする見解をまとめました。
検討会の会長で、東京大学の平田直 名誉教授は、「南海トラフのプレート境界では8月は比較的地震活動が静かな状態だったが、決してフィリピン海プレートの沈み込みが止まったわけではなくて、次の地震に向かって準備している状態が続いている。いつ巨大地震が起きても不思議ではない状態に変わりはないので、引き続き十分な準備をして地震の発生に備えてほしい」と呼びかけました。
南海トラフ評価検討会“特段の変化は観測されていない”|NHK 関西のニュース - nhk.or.jp
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