新型コロナによる自粛生活や在宅勤務などライフスタイルの変化で、睡眠に関心を持つ人が増え、そのニーズに注目した商品が続々と登場している。寝具や食品の他に、カプセルホテルで横になるだけで眠りを分析してくれるサービスも生まれるなど多様な広がりを見せている。(寺本康弘)
「いろいろな機器を付ける必要はなし。出張のついでという手軽さで睡眠を測ることができます」
カプセルホテルを運営する「ナインアワーズ」(千代田区)の松井隆浩最高経営責任者(CEO)は、睡眠解析サービスの魅力をそうアピールする。
同社のカプセルホテル「ナインアワーズ赤坂スリープラボ」(港区)で昨年12月に導入したサービス。カプセル内に設置した赤外線カメラや集音マイク、体の動きを調べるセンサーが、睡眠中の心拍や寝返り回数、いびきなどを測定する。10秒以上呼吸が止まった回数や、眠りの深さの状況をリポートにまとめ、後日、メールで宿泊者に送る。
睡眠時無呼吸症候群(SAS)かどうかなどの診断は医療行為でできないが、データの提供と睡眠に関する一般的な情報を合わせて掲載し、気になることがあれば、利用者自身に医療機関を受診してもらう。
測定するかは利用者が選択。30代男性は「いびきをかいているか無呼吸になっているかは、自分では分からない。知ることができてよかった」と歓迎する。
◆ヤクルト1000は想定を上回る人気
睡眠の質の向上に着目した商品も売れ行きを伸ばす。ヤクルト(港区)の乳酸菌飲料「Yakult(ヤクルト)1000」は、1ミリリットルあたり10億個の乳酸菌シロタ株が含まれる機能性表示食品で、睡眠の質を向上させるという。宅配のヤクルト1000は大量の注文があり、インターネットの新規受け付けを停止するなど想定を上回る人気だ。TENTIAL(テンシャル、中央区)は、セラミックスを配合した特殊繊維の機能性パジャマを販売。保温効果で体を冷えから守り、快適な睡眠に誘うとして、昨年2月の販売開始から累計で7万枚を超える売り上げを記録した。
市場調査会社のシード・プランニング(文京区)が昨年、公表した調査では睡眠全体の潜在市場規模は1兆6200億円。睡眠に悩みを抱える人は多く、今後も市場規模は増える可能性があるという。
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