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Tuesday, February 8, 2022

株式市場の潮流変化まだ序盤、日本の割安株に妙味-オービス・時国氏 - ブルームバーグ

株式相場の大きな潮流変化はまだ序盤に過ぎないーー。資産運用会社、オービス・インベストメンツ日本法人の時国司社長は、インフレ高進に伴い「グロース株を保有すればパフォーマンスが上げやすい」時代が転換点を迎え、割安で見過ごされているバリュー銘柄がアウトパフォームする可能性が高まっている、との見解を示した。

   オービス・インベストメンツは、個別銘柄のファンダメンタルズ分析を中心とする運用アプローチを50年近く前の創業時から採用。グローバルで約4兆円を運用しており、このうち日本株には総額6000億円を振り向ける。過去1年の運用成績は18%、1998年の設定来では10%とTOPIX(6.7%、3.5%)をそれぞれ上回る。

  時国社長は、インフレが起こる条件が整い、グロース(成長)株の選好と米国株へのパッシブ(指数連動型)投資の優位性という長期の流れが変調し始めたとして、「現在はほんの少し転換しただけ。転換の余地はまだまだ大きく残っている」と語った。本格的な転換が起これば、グロース株がバリュー株に対して、世界の中で優位にあった米国株が他地域に対して、ともにアンダーパフォームすることも有り得るとみる。  

Orbis Investments Japan office president Tsukasa Tokikuni

時国司社長

Source: Orbis Investments

  時国氏によれば、インフレが起こる際の条件を「Too much money(過剰流動性)」と「Too few goods(供給抑制)」、「Chase(商品への資金流入)」の3つに分けると、現在は「それらすべてが揃っている」と言う。昨年12月の米消費者物価指数( CPI)は住居費や中古車の価格上昇などで前年比の伸びが7%と39年ぶりの大きさ。1月も同7%超の上昇が予想されている。

  インフレの過熱を背景に年初から株価は乱高下。米連邦準備制度理事会(FRB)がタカ派姿勢を強めたことなどで、S&P500種は直近高値から10%超の下落するなど変調の兆しが出ているほか、テクノロジー株やグロース株が多いナスダック100指数は、昨年11月高値から10%台半ばまで調整が拡大した。時国氏は金利上昇でグロース株が従来のように上昇するのは今後困難になるだろうと予想している。 

  米S&P500種株価指数は過去10年間、2回の小休止をはさみながらも明確な上昇トレンドを描いてきた。時国氏は過去5-10年、投資家はグロース株を持っていればパフォーマンスは良好で、パッシブ投資でも良かったと振り返る。時価総額が大きいグロース株高が追い風となる株価指数も上昇しやすい環境とあって、結果的に投資資金を増やしやすい時代だったのではないかと語る。

  一方、オービスの分析によると、過去約100年間の米株式市場で、グロースとバリューのパフォーマンス格差が広がって「バリューの終焉」が市場で力説されるような時期の直後にバリュー銘柄が大きくアウトパフォームした経緯が何度もあったという。

ナスダック100の上昇ぶり顕著

三井住友FやINPEXなど保有

  時国氏は台湾・台北市出身の40歳。小学生のころからサッカー代表を志し、Uー19の台湾代表メンバーに選出されるなどした後、04年にゴールドマン・サックス証券に入社、金融業界でのキャリアをスタートさせた。09年にベイン・キャピタルを経て、12年にオービスインベストメンツ英国法人に入社し、16年から現職。

  金融機関に勤務する傍ら、サッカーも続け14年からイングランドFAナショナル・フットサル・リーグや香港フットサルリーグなどで選手を務めた。15-16年には台湾フットサル代表として、FIFAワールドカップアジア最終予選に進出した経験もある。

  オービスの運用哲学は、「本源的価値を大きく下回る株価で取引されている会社に投資する」。良い会社の本源的価値は長期的に緩やかに向上していくとの考えのもと、株価は追わず、相場にベットするスタンスは採っていない。その同社が「 オービス・ジャパン・エクイティ運用戦略」で投資しているのは、 三井住友フィナンシャルグループ INPEX スギホールディングスなどだ。

「ジャパン・エクイティ運用戦略」の組み入れ上位
(1月末時点)
順位 銘柄名(コード) 保有比率(%)
三井住友F(8316) 8.3
INPEX(1605) 6.7
スギHD(7649) 5.6
三菱商(8058) 5.0
住友電工(5802) 4.9

  三井住友Fは株価純資産倍率(PBR)の低さ、配当利回りの高さなどバリュエーション面の魅力に「日本の銀行の中でも非常にしっかり経営されている会社」との評価も加わり、特に割安に放置されていると分析。スギHDは合従連衡が進む業界テーマ性や成長ストーリーなどを評価している。

  時国氏は、クオリティや配当利回りが高い銘柄が割安に買える環境もあり、「今後ターン(転換期)が来た時には保有銘柄がアウトパフォームする可能性は高まっている」とみている。

オービス・ジャパン・エクイティ運用戦略の基準価格

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