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Monday, February 7, 2022

<きらり 企業テク>変化恐れず商品開発 - 読売新聞

 岡山を代表する銘菓「きび団子」は江戸時代に生まれたとされる。創業から140年を超え、柔らかい口当たりと上品な甘さを両立させたきび団子の製菓技術は評判だ。代々継承されてきた技術をもとに、昨年5月、イタリアの伝統的な菓子「マリトッツォ」をモチーフにした「モチトッツォ」の販売を開始。餅からあふれんばかりに詰まったクリームが話題を呼び、連日売り切れが続く。専務取締役の安部真良さん(38)は「職人が一つずつ手作業でクリームを詰めている」とおいしさの秘密を明かす。

 駅やサービスエリアに並ぶ土産用のきび団子を大量生産でつくっていたが、新型コロナウイルスが直撃した。2020年春の売り上げは前年比9割減まで落ち込み、工場も止まった。

 「従業員の雇用を守るため、何かできないか必死だった」。観光客を主な対象とした外向きの販売戦略から、普段はあまりきび団子を食べない地元住民に楽しんでもらえるように転換した。同年7月に販売した調理キット「おうちできびだんご」は家庭で自作できる手軽さが受け、巣ごもり需要もあって初回生産分の2000個が完売した。

 「インパクトのある商品を」と、昔話「桃太郎」の絵本に出てくるサイズのきび団子製造にも着手。試行錯誤の結果、子どもの手のひらからはみ出るほどで大福と呼ばざるを得ないサイズとなった。大福製造も始め、昨年2月に専門店「大福屋 山月」を岡山市内にオープンした。

 客の「クリーム入りの大福の中身をもっと入れてほしい」という要望を受け、あふれるほど入れた大福を試作した。通常の3倍の量のクリームはくどくならないよう甘さ控えめで、モチトッツォとして販売したところ、人気が爆発した。「店でお客様の声を聞けたからこそ、生まれた商品だった」と振り返る。

 ユニークな商品を相次いで打ち出した結果、昨年12月の会社の売り上げは、感染拡大前の同月を上回ったという。「コロナ禍がピンチなのは間違いない。それでも、変化を恐れず『どうせ倒れるなら、前向きに』の精神で挑戦し続けたい」と笑顔で語る。(岡山支局 上万俊弥)

【概要】  1881年創業。資本金は1000万円。従業員は19人で、モチトッツォ(1個税込み280円)はきなことかぶせ茶味の2種類ある。きび団子は明治、昭和天皇に献上した歴史を持ち、きなこや白桃、マスカットなどの様々な味をそろえる。問い合わせは山脇山月堂(086・276・3013)。

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