リモートワークが進み、外出を控えることが多くなったコロナ禍は、服選びにも影響を与えているようだ。自分が持つ服や靴などを登録して着回しのアドバイスを受けられるアプリのデータからは、服へのニーズや役割が変化している様子がうかがえた。
オンライン・クローゼットアプリを提供する「スタンディングオベーション」(東京・渋谷)が、今年5月とコロナ禍前の2019年5月のファッションアイテムの登録状況を比較。2年間での利用者数の増加を考慮に入れた上で、登録数の変化などを分析した。
アプリ「XZ(クローゼット)」のアイテム登録サービスの利用者は約85%が女性で、男女合わせた累計利用者は100万人超。利用者は10代~30代が中心で、都市部での利用者が多い。自分が持つ服や靴、バッグ、アクセサリーなどを登録すると、「AIスタイリスト」が天候や気温に合った着回しを提案してくれる。アイテム登録数は累計3200万点に上る。
23歳以上の女性を対象にアイテム別でみると、コロナ禍前と比べて、生地やデザインが上下でそろったセットアップの登録数が約5割増えた。またパンツやワンピース、アクセサリーも1割増。一方で、最も減少したのがスカートで、2割近く減った。家の中では着ることが少ないアウター(上着)や靴もそれぞれ1割弱減っていた。
ユニクロが昨秋、在宅勤務経験が1カ月以上ある男女400人を対象にした調査では、約55%が「部屋着で過ごす時間が増加している」と回答。また「部屋着の種類が増えた」(約17%)、「部屋着にTPOを意識するようになった」(9%)などと、部屋着への意識も変わってきていることがうかがえる。
都内に住む会社員の女性(35)は、出社時にはブラウスにストレートパンツを合わせるなどのオフィスカジュアルだが、週1回の在宅勤務では上下ユニクロの服だという。Tシャツにウエストがゴム仕様で締め付けがないボトムスをはいているといい、「これならオンライン会議があっても大丈夫。パジャマには見えないはず」と話す。
伸びたブランドは
XZのデータからは、服の色選びにも変化がみられた。
顔の周りの印象を左右するトップスとワンピースについて、どの色に人気が集まったのかを23歳以上の女性を対象に調べると、トップスとワンピースでともに減少したのは赤、ネイビー、グレーの3色。中でも赤色のトップスは2割超減り、グレーのワンピースは2割弱減った。
一方、ともに5割以上増えたのはパープルとグリーン。特にパープルのワンピースは2倍に増え、トップスのブラウンも7割弱増えた。
ブランド別ではどうか。外出自粛で運動を始めた人が増えたためか、ナイキ(78%)やプーマ(60%)、アディダス(54%)といったスポーツブランドが軒並み増加。特にシューズの伸び率が増えた。スタンディングオベーション社は「日常のコーディネートにスポーツブランドが採り入れられるようになったためでは」(広報担当者)とみる。
ファストファッションでは、GRLが3倍超、H&Mは2倍超、ユニクロも8割増と大きく増えた。ZARAやGU、「しまむら」なども軒並み増えていることから、比較的安価に買うことができるブランドのニーズはコロナ禍でも引き続き強いようだ。高級ブランドでは、グッチ、ルイ・ヴィトンがそれぞれ2倍以上、コーチは1割増だった。
記事後半では、渋谷、原宿、新宿の路上でファッションやカルチャーの定点観測をしているウェブマガジンの編集長に、コロナ禍のファッションへの意識や変化について聞きました。
なぜ、こうした変化が起きて…
スカート不人気に? 長引く自粛、服選びに変化 定点観測すると… [ニュースデータウォッチ] - 朝日新聞デジタル
Read More
No comments:
Post a Comment