YBCルヴァンカップ決勝戦、アビスパ福岡－浦和レッズの試合を国立競技場で現地観戦してきました。結果は2-1でアビスパ福岡の勝利。前寛之選手、宮大樹選手のゴールで試合を決めました。城後寿選手がカップを掲げる瞬間や、試合開始前の国立の盛り上がりなど、サポーター目線で歴史的な1日を振り返る現地観戦のリポートです。
カップを掲げる瞬間を正面からの映像で！試合後インタビューも収録！ルヴァンカップ現地リポート動画はこちら
試合の流れを振り返る
試合序盤、アビスパは徹底してサイドから低いボールをゴール前に集めます。すると、前半早々、右サイドの紺野選手からのボールに、この日はシャドーに入った前寛之選手がゴール前で合わせて、見事に先制。さらに前半終了間際、またも起点になったのは紺野選手でした。左サイドに流れてゴール前に入れたボールを、宮大樹選手が決めて、追加点。最高の形で前半を終えます。
しかし、後半になると、浦和の前線からのプレスが強まり、思うようにビルドアップができなくなり、徐々に浦和ペースに。そんな中獲得したPKも、エース山岸祐也選手がまさかの失敗。その後も奮闘するアビスパですが、とうとう浦和に得点が生まれてしまいます。会場の浦和サポーターは大いに湧き、アビスパにとって嫌な流れになりかけました。しかし、ここで、この流れを断ち切ったのが会場に駆け付けたアビスパサポーターでした。数こそ浦和サポーターに劣ったかもしれませんが、その差を埋めて余りある声援で、選手を後押ししました。選手もそれに応え、最後まで追加点を許さず、試合終了。アビスパ福岡に関わる全ての人が待ち望んだ優勝という瞬間を迎えたのです。
星を獲得した歴史的な1日を、サポーター目線で振り返る
国立競技場前には試合開始の3時間前に到着。既にアビスパのグッズ売り場は長蛇の列。関東に紺色ユニフォームのアビサポが多数集結するのは、少なくともここ数年では見られなかった光景です。非常に心強く感じました。
試合開始の１時間半前にスタジアムの中に入りました。ウォーミングアップ前からゴール裏のアビサポは声出しを開始。アビチアちゃんたちが登場するとレッズのゴール裏から大ブーイングが。それにも負けず、アビサポは声を出し、選手を迎える空気を作ります。ゴール裏、そしてメインスタンド1Fの北側は、しっかり紺色が占めていました。
アビスパのベンチ脇には、怪我で出場が叶わなかった佐藤凌我選手、ルキアン選手、井上聖也選手のユニフォームがかけられていました。「アビスパ全員で戦うぞ！」という、チーム全員の思いが、ここからも見て分かりました。
試合開始前の選手入場。派手なスモークなどの演出もあり、「いよいよ始まるぞ！」という決勝らしい雰囲気に。浦和レッズのゴール裏の見事なコレオは、時間が経過するごとに変化し、何種類か見られ圧巻でした。アビスパゴール裏も、ネイビーと白のごみ袋を活用したコレオで、士気を高めていきます。
キックオフ。カップ戦の決勝は、アビスパの選手も、もちろんサポーターも初めて。浮足立って、入りはそわそわしてしまうのかな、と心配していたのですが、杞憂でした。選手のプレーからは、これまでの試合以上に丁寧に集中して入ろうという気持ちが表れていたと思いますし、実際に開始5分で先制点を奪うなど、アビスパが練りに練った作戦をしっかりと実行できており結果を出していました。アビサポも、レッズファンの多さに圧倒されることなく、声を出し、手をたたき、国立でアビスパの空気や流れを作ろう！と、力強い応援で選手たちをアシスト。選手もサポーターも、決勝という初めての舞台においても浮足立つことなく、自分たちのこれまでのスタイルで、やれることを精一杯やるんだ、という、非常に一体感のある良い雰囲気だったと思います。
特筆すべきは、後半14分に山岸選手がPKを外した場面です。入れば3-０になり相手の戦意も喪失するような点差になるビッグチャンスでしたが、結果は失敗。この時、レッズサポーターが一気に沸き立ち、レッズ押せ押せの雰囲気になってしまいます。実際に、後半22分にはレッズに得点が入り2-1に。せっかくアビスパに傾きかけた流れをこのまま相手に奪われてしまっては、さすがにまずい・・・。そう思っていた矢先、必死にその空気を変えようと選手たちを鼓舞し続けていたのは、アビスパサポーターでした。PK失敗後、すぐさまチャントを歌い、声を出し、試合の流れを、もう一度アビスパに戻そう！と。相手に吞まれまい！と。国立に集ったアビサポが一段と奮起した瞬間でした。
現地観戦していると、目には見えませんが試合の「空気」や「流れ」というものを、手に取るように感じることができます。「絶対にレッズに流れを渡さないぞ！」、「優勝するのはアビスパだ！」。国立に集っているアビサポ全員の強い思いが、声になり、手拍子になり、少しずつ空気がまた変わっていったように思います。このサポーターが作った空気の変化は、現地観戦した身として、しっかりと記録に残しておきたいと思い、このコラムに書かせていただくことにしました。これこそ、“応援の力”だと、強く実感しました。
試合終了のホイッスルが鳴り響き、アビスパ福岡は、YBCルヴァンカップの初優勝が確定しました。後半のATは体感として非常に長く感じ、ひたすら祈ってばかりでした。優勝した瞬間、この上なく嬉しく、飛び上がって歓喜したのですが、まだ「優勝」というこの状況を呑み込めていない自分もそこにはいました。長いことアビスパを応援し続けてきて、「カップ戦優勝」という、そんな未来が、今日、来るとは。（個人的に、「優勝」の実感が湧いてきたのは、翌日以降でした）。「優勝」という最高の結果を出してくれたアビスパの選手の皆様、スタッフの皆様、フロントの皆様のおかげで、「今までアビスパを応援してきてよかった！」と、何度も思うことができました。
優勝セレモニーが終わり、長いことスタンドに居座った我々が外に出ると、まだまだ大勢のアビサポさんが国立の周りで喜びを分かち合っていました。このような光景を見て、またさらに優勝の喜びをかみしめました。そして、在福メディア（テレビ局）が多数取材に来ていたことも確認していたので、翌日以降、福岡県内でアビスパの露出が増えるのだろうなぁ！と、非常にうれしい気持ちになりました。
クラブも、サポーターも、初めて尽くしだった“星を獲得した1日”。このような歴史的な1日に、アビスパサポーターとしてアビスパを応援できたことを幸せに思いました。「きっと、アビスパはもっともっと強くなっていくだろう」。この優勝は、その序章のような気さえします。ここで完結ではない、これからどんどん進化し続けるアビスパが、今後もさらに楽しみになりました。
ベススタ最終戦、Neontetraも参戦します！
次節11月25日は、再び浦和レッズとアウェイで戦います。そして2023年12月3日(日)の最終節・ホームの広島戦は、KBCラジオの中継ゲストとして、Neontetraもベスト電器スタジアムへ参ります！あと2戦勝って、リーグ戦も過去最高順位を更新して最高のシーズンにしたいですね。サポーターにできることは、これからも日々、応援です！
Neontetra 主催ライブイベント
「Dazaifu Music EXPO 2023」
日時：2023年11月18日(土)14時開演
場所：太宰府館まほろばホール（太宰府駅徒歩3分）
チケット購入：https://tiget.net/events/264154
※当日券もございますので、会場に直接ご来場ください。
執筆者：Neontetraセイカ
2人組バンド・Neontetra（ネオンテトラ）のボーカル、作詞作曲編曲を担当。Neontetraは2020年に「時の旅人 ～令和ゆかりの地・太宰府のうた～」でメジャーデビュー。MVに広瀬香美さんが出演し話題に。2023年3月15日に新曲「たからもの」を日本クラウンより配信リリース。アビスパ福岡の試合では過去3度スタジアムで歌唱し、チームを音楽で盛り上げている。セイカは幼少期から家族でアビスパ福岡の試合観戦に行っていた生粋のアビサポ。現在は関東アウェイを中心に応援へ駆けつけており、その様子をまとめたYouTubeでの遠征Vlog動画がサポーターからの支持を集めている。福岡県太宰府市出身。
▼YouTube
https://www.youtube.com/c/neontetraofficial
▼サッカー観戦Instagram
https://www.instagram.com/seika_neontetra/
▼Ｘ
https://twitter.com/seika_letter
▼Neontetra Website
http://neontetra.jpn.com/
サポーターが作った空気の変化 星を獲得した歴史的な1日 アビサポ目線の国立【Neontetra セイカのルヴァンカップ ... - 西日本新聞me
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