※日経エンタテインメント！ 2023年10月号の記事を再構成
4th single『Mainstream』で、さらに高く羽ばたいていくBE:FIRST。今回はSKY-HIに、上へと向かう7人それぞれの現在地をテーマに話を聞いた。SKY-HIは「もちろんまだ課題はあるけれども、焦らなくてはいけないポイントはないし、毎日彼らといると本当に楽しい（笑）。全員に、ただただ感謝しています」と笑顔で語った。
SKY-HI（写真／上野裕二 ヘアメイク／椎津 恵）
これまで本誌では、“BE:FIRSTのメンバーが決まったとき”“1stアルバム『BE:1』のリリースタイミング”の2度、SKY-HIがメンバーの成長や変化をどう捉えているのかを聞いてきた。「ほぼ1年に1回」だが、その1回ごとに彼らの活動の濃さは増す一方だ。
今回、SKY-HIは、彼らの成長や変化を語るにあたり、「白か黒かといったものでなく、シームレスである」ことを何度も口にした。たいがいの変化や成長は日々の地続きの中で起きていく。今回の話もまた、今この瞬間の7人を語ってもらったものだ。
SOTA
「ミュージシャンになった」ことが、この1年での最も大きな変化だと思います。オーディション時は、レコーディングやプリプロダクションに「俺は世界一ダンスがうまいラッパー」と自己暗示を掛けながら臨んでいました。あれから2年、初期こそ未経験だった歌うことに対して一生懸命だったはずですが、完全に1人のミュージシャンになった感じはしますね。
4th single『Mainstream』は、SOTAが旗を振ったところが大きかったですね。「音楽が好きな人」と「音楽を作る人」って、白と黒みたいに見えるかもしれませんが、実際にはシームレスなんです。SOTAの場合はミュージシャンになり、音楽を作る側になったときに、これまでの「音楽が好きな人」だった時期の財産がすごく自然に生かされてる感じがしますね。
そういう意味で、制作に対する意見が自分から見てもかなりシュアです。彼の音楽的にやりたいことは何か、に始まり、自分がプロデューサーとしてみんなに提案すること…作るものの意図、トラックの細かいところに至るまで、非常に感度も深度も高く話ができるので、とても助かっています。
SHUNTO
SHUNTOは、自分自身のパフォーマンスのことを1番考えてるんじゃないかなという気がします。すごいなと思いますね。技術的なことも含めて、どういう立ち居振る舞いをするのがSHUNTOとして正解なのか。BE:FIRSTのSHUNTOのことを1番考えてあげてるのがSHUNTO自身だという気がします。今回、この先も何回も言いそうな気がしますけれど、白と黒じゃない。アーティストとしてデビューしたら、芸能人の人格が急に生まれるものではないので、自分が自覚的に、アーティストとしてどうやっていくかを考えるのが、アーティストとしての成長に1番つながると思います。SHUNTOはそれを、現段階で1番やっているメンバーだと思います。
「THE FIRST」が終わったくらいから、SHUNTOという存在は当然できてはいましたが、それについて自分自身が考えている絶対時間が長いのもSHUNTOでした。デビュー当時は全員で真面目な話や大事な話を一緒にしていても、その時間は割と黙っていて、「SHUNTO、どう？」って聞くと、「いやあ、今考えてました」って。でも、考えている時間が長いと自分の中で出る答えもいっぱいあると思うんです。だから最近はそういう話になったときに、「これずっと考えていたやつだ」 みたいなことが彼の中でいろいろ起こってるんだと思います。
MANATO
本当に、すごい人です。ミュージシャンとしてのレベルの高さがすごいです。人がミュージシャン好きになる理由って「うまいから」が全てのケースってあんまりないと思うんです。「うまい」以上に大事なことっていっぱいある。それを踏まえたうえでも、まずそれを言わせてほしい。MANATOはBE:FIRSTのライブにしろ何にしろ、見るたびに「うまいな」ってめちゃくちゃ思うんですよ。この「すごくうまい」人が、Show Minor Savageで思うがままに活動したらどうなるんだろうなと思ったら、これを出してくるんだ！みたいな。毎回音楽的驚きと喜びをくれるんです。
最近、MANATOと楽曲制作をする機会があったんですけど、レベルが高いからめちゃくちゃ楽しかった。誰とスタジオに入っても楽しいというわけには必ずしもいかないのですが、MANATOは抜群に音楽的運動神経の良さがあるし、相性もいいのかもしれません。「ちょっと、こういうのやってみて」と言えばすぐ応えてくれるだけではなく、そこに何かプラスアルファを勝手に足してくる。自分が制作に入るときは毎回いてほしいくらいですね。でも、もし毎回いたらまた違うのかもしれないけど（笑）。
MANATOの「うまい」は結局、技術として「うまい」だけではなく、なるべくしてなっていると感じます。音楽的感度がとても高いので、結果として「これだから、歌がうまくなるはずだよな」って感じるんですよね。
メジャーデビューから約2年で、着実に進化を続ける7人。明日公開の後編では、RYUHEI、JUNON、RYOKI、LEOについて感じる点を語ってもらっている。
SKY-HI（日高光啓）
1986年12月12日生まれ、千葉県出身。ラッパー、トラックメイカー、プロデューサーなどとして、幅広く活動する。2005年AAAのメンバーとしてデビューし、同時期からSKY-HIとしてソロ活動を開始。20年にBMSGを設立し、代表取締役CEO（最高経営責任者）に就任
『マネジメントのはなし。』 SKY-HI・著
社長・SKY-HIの挑戦をたどれる“ドキュメンタリー本”
課題意識を持つビジネスパーソンへのヒントも満載な1冊
今、音楽業界で最も勢いのあるマネジメント／レーベル「BMSG」。そのCEOであり、アーティストとしても第一線で活躍するSKY-HIの『日経エンタテインメント！』での連載が待望の書籍化！
オーディション「THE FIRST」がムーブメントを起こし、そこから誕生したBE:FIRSTはデビュー1年で紅白歌合戦に出場。2020年9月にたった数人で始まったスタートアップ企業が、なぜここまで急激に成長できたのか。本書は、その時々でSKY-HIが抱える課題や挑戦にフォーカスしたドキュメンタリー的な1冊。「課題解決」「人材育成」「スキルアップ」「コミュニケーション」など、ビジネスのヒントの宝庫ともなっている。
■定価：1760円（10％税込み）
■発行：日経BP
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SKY-HI が見たBE:FIRSTの現在地（前編） 7人の1年の変化は？ - 日経クロストレンド
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