<働き盛りの40代で学校に在学している割合を見ると、都市部だけでなく地方でも条件によっては割合が高いことがわかる>
2020年の『国勢調査』によると、学校に通っている在学者(15歳以上)は740万人で、そのうちの715万人(96.6%)は25歳未満の青年層となっている。少子高齢化の進行により、国民の年齢構成が「逆ピラミッド」なのとは対照的だ。在学者の割合で見ても、10代後半では90.5%と著しく高いものの、30代は0.5%、40代は0.2%ときわめて低くなる。
社会変化が速くなっていることにより、子ども期に学んだ知識や技術は直ちに陳腐化するので、成人層も学校で学び直す必要性はある。終身雇用の崩壊、雇用の流動化に伴い、「リスキリング」への要請も高まっている。こういう状況の中、学校で学ぶ大人がもっと多くても良さそうなものだが、日本では非常に少ない。どの国も同じわけではなく、フィンランドでは30代の約2割が学生だ(OECD「PIAAC 2012」)。
なお、国内でも地域による違いがある。働き盛りの40代のうち、学校に在学している学生が何%いるかを都道府県別に計算し、高い順に並べると<表1>のようになる。
あくまで微差だが、注目すべきは上位県の顔ぶれだ。上位には、東京をはじめとした都市部の都府県が多い。大学等の高等教育機関が多く立地しているためだろう。だが都市部ほど高いという直線的な傾向ではなく、沖縄、徳島、高知、宮崎といった地方県も上位にいる。働きながら学校に通える条件を整えている、社会人の受け入れに大学が力を入れている、という要因も考えられる。
2位の沖縄は、所得水準が低く大学進学率も低い。高卒時に経済的理由で進学を諦めた人も少なくないと思うが、子ども期に得られなかった教育機会を取り戻そうとしている人が多いのかもしれない。「18歳時には進学できなかったが、今からでも......」という動機で学んでいる人もいるだろう。
変化の速い今の社会では「学び直し」の機会がもっと必要だ - Newsweekjapan
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