2週前は「関西のノリツッコミにどきまぎしている感じ(笑)」(木村師)
本日、栗東トレセンでは25日に迫る宝塚記念の1週前追い切りが行われた。
詳細は既報のとおりだが、やはり大きな注目を集めたのは昨年の年度代表馬でもあり、目下、天皇賞・秋、有馬記念、ドバイシーマクラシックとGⅠ3連勝中のイクイノックスだった。
今月4日に栗東へと移動し、調整を重ねてきた。その入厩4日後の2週前追い切りを行った8日の時点では、「大人しく見せてはいるけど、ナーバス。関西のノリツッコミにどきまぎしている感じ(笑)」とウイットに富んだ木村師の表現があった。
それが1週間の滞在を経て、イクイノックスにどんな変化があったのだろうか。
先週を振り返れば、厩舎から逍遥馬道から坂路へ。調教を終えて再度、滞在中の栗東で一番奥の出張厩舎へ戻る道すがらでは、やや頭を高くし、明らかに周りをキョロキョロ。隊列で歩く中でも初めての栗東という〝ホームでない〟環境にやや警戒心が出てもいた。
「だいぶ、確認しないで歩けるように。分かってきて、どぎまぎしない部分は増えてきていますね。彼自身も勉強に集中できている、という条件になってきてる。(歩く際も)エネルギーが全部前に向かうようになってきた」
けさの木村師はこう話している。環境に慣れてきた証拠だ。
栗東での環境がひと回り成長させる
イクイノックスが関西馬に囲まれてレースを目指すのは、これが初めてではない。
先のドバイ遠征がそう。ゴールデンシャヒーン、ターフ、シーマクラシック、ワールドカップのGⅠにゴドルフィンマイル、UAEダービーで日本馬は27頭おり、うち19頭が関西馬だった。
「ドバイ遠征では、関西馬に囲まれて、馬、関西のトップステーブルの皆様とサポートしていただいた。今回も栗東の厩舎関係者の皆様に気を使っていただき、やりすくして声をかけて頂いたり、譲ってくれたり。懐の深さに感謝しかない」
イクイノックスの血統に触れれば、父キタサンブラックは存知、関西・清水久厩舎の所属で15年から18年年明けまで栗東に在籍した。また、母シャトーブランシュも高橋忠厩舎。12年秋から15年暮れまで4年間を栗東で過ごしている。洗練されたスタイリッシュな馬体ながらも、〝栗東を知るDNA〟は持ち合わせているのだ。決して、今回の滞在は〝アウェイ〟の状況とはいえない。
むしろ、ドバイで成長し、日々、慣れてゆく栗東でスーパーホースをひと回り大きくさせる可能性を秘めている。
「環境に慣れてきたからこそ、オーソドックスにハードワークができた。メンコを外し、馬にプレッシャーがかかる中でしっかりと動いてもらいたい、動いてくるだろうという調教。いつもの美浦での方程式(調教パターン)に収められている」
こう師が話せば、騎乗したルメールはこう感触を伝えた。
「馬のメンタルはすごく大事。栗東にきて全然エキサイトしていない。栗東にも慣れてきた全部OK。馬が大人になり、スタミナもよくなってきた」
栗東での滞在は軌道には乗ってきた。あとは、4歳での春グランプリ挑戦で③着だった父キタサンブラックを越えるのみ。
滞在3週目となる来週には、もう一段階上昇しているはずだろう。最終追い、またレースでは「教科書に載るような相当いいフットワーク」を存分に見せてくれるはずだ。
栗東滞在で感じたスーパーホース・イクイノックスの変化 | 日刊ゲンダイ競馬 - 日刊ゲンダイ競馬
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