エンゼルスの大谷翔平が投げる変化球が、大リーグを席巻している。
右打者の外角に大きく逃げていくその球は、「スイーパー」と呼ばれる。日本球界でもトレンドになるかもしれない。
歓喜の瞬間は、まだ記憶に新しい。ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)決勝の九回2死。米国の主将トラウトに対し、日本の大谷がフルカウントから勝負球に選んだのは160キロの直球ではなかった。
球速は87マイル(約140キロ)。外角の厳しいコースに向かって、鋭く大きく曲がった。トラウトのバットが空を切った。これこそが、大リーグでも屈指のレベルと言われる、大谷のスイーパーだ。
今や大谷の投球の主体は、直球(フォーシーム)ではない。大リーグの解析システム「スタットキャスト」によると、昨季は全投球のうちスイーパーが占めた割合は最多の37・4%。フォーシームは27・3%で、スイーパーと直球の割合が初めて逆転した(19年は登板機会無し)。
4勝0敗、防御率1・85と絶好調の今季は、スイーパーが49%、フォーシームが24%とさらに顕著になっている。
WBCの期間中、大谷にスイーパーの重要度を聞いた。
「軸の一つというとらえ方。ほかの球種でいいなと思えば、投げる必要はない。それはスプリットにもシンカーにも言える。色んな球種で組み立てられるのが、自分の一番の強みだと思っている」
言葉とデータを照らし合わせると、今最も必要な球種がスイーパーということだろう。
スイーパーはスライダーの一種で、「新球種」ではない。
投球や打球の速度や軌道などを解析する弾道測定器「トラックマン」の野球部門責任者・星川太輔さんによると、米国でスイーパーは次のように定義されているという。
①球速80マイル(約128…
大谷翔平が直球よりも多投する変化球 「スイーパー」ってどんな球?:朝日新聞デジタル - 朝日新聞デジタル
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