中学3年生までの数年間を過ごした米中西部オハイオ州の町を訪ねた。約30年ぶりである。人口は約8000人と当時とほとんど同じなのだが、人種構成が少し変化していた。
以前は日本人駐在員の家族ら少数のアジア人を除くとほぼ100%白人だったけれど、今はヒスパニック(中南米)系が少し増え、本格的なメキシコ料理店もできていた。宿泊したモーテルには、土木工事などの短期契約に従事するヒスパニック系の親子が何組か滞在していた。
取材した別の町でも、同様のことが起きていた。ある住民は「ああいう不法移民が増えないように国境を閉じるべきだ」と話し、トランプ前大統領への支持を熱心に語った。
一方、こんな意見を持つ人にも会った。「安い賃金で働く彼らがいなければ、物価はもっと高くなると思う」「おれたちのじいさんたちも低賃金の労働者から始めたんだ」。治安や違法薬物の流入などにも絡むだけに、経済や移民国家としての成り立ちからだけで論じられる問題ではないとはいえ、重要な視点だろう。
11月8日の中間選挙でも重要争点となっている移民問題。中西部の田舎町とも無縁ではなくなっていることを実感しながら、子供のころには食べられなかった本格メキシカンをほおばった。(大内清)
【ポトマック通信】小さな町の変化 - 産経ニュース
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