この本を読み、人生は選択ばかりで、その度に自分で決断しなければならないと感じた。当たり前なのだが、私は何事にも優柔不断で決断に時間がかかり、最後は人に決めてもらうことが多かった。失敗や後になってわかる間違いが怖いからだ。慎重になり過ぎて行動に移すのが遅く、物事がスムーズに進まない。
日本を代表するビジネスリーダーでディー・エヌ・エー(DeNA)の創業者、南場さんはこの本で数々の失敗と成功を語っている。ゲームやベイスターズをはじめ、どう紹介すべきかわからないほど多くのビジネスを手がける企業の、創業からこの本が出版された2013年までの歩みが書かれ、とても興味深い。
大手コンサルティング会社を辞めて起業した南場さんはベンチャー精神は変化を決して恐れないことだと思った。失敗を恐れて行動しないのでは未来も利益も望めない。
「『正しい選択肢を選ぶ』ことは当然重要だが、それと同等以上に『選んだ選択肢を正しくする』ということが重要となる」は強いメッセージだ。リーダーは胆力だとあるが、そこにはチームの存在があった。何人もの個性的で多様な人材。この本は彼女を支えた人たちの物語でもある。「信じて任せる」「全員が主役」という言葉もあった。それぞれが仕事の責任を重く受け止め、自分のこととして考える。
大学の課題で中身もわからず手に取った本だが、就活の年になって、自分流に読み返した。この本から学んだのは常に選択と決断が人生だということ。受け身では何も変わらない。南場さんの語る「不格好でいい」を胸に、自分自身が変われるように、目標を達成できるように、しっかり決断していきたい。
京都府木津川市 速水彩良(21)
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【ビブリオエッセー】変化も失敗も恐れずに 「不格好経営-チームDeNAの挑戦」南場智子(日本経済新聞出版) - 産経ニュース
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