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Sunday, April 3, 2022

変わりゆくファッション。心にも変化が - 朝日新聞デジタル

ニューヨーク在住6年目の、久保純子さん。新型コロナウイルスで世界がめまぐるしく変化する中での、ニューヨーク生活。家族や友人との時間、街で見かけたモノ・コト、感じたことなど、日々の暮らしを通して久保さんが見つめた「いまのニューヨーク」をつづります。

クローゼットで眠り続けている洋服たち

春爛漫(らんまん)! ニューヨーク(NY)もようやく極寒の冬を抜け出して、先週まで雪が降っていたのが嘘(うそ)のように穏やかな陽気が続いている。この季節を待ってましたとばかりに、Tシャツ短パン姿で芝生に寝転ぶニューヨーカーや、軽やかな装いで行き交う人々の姿を目にするように。桜の花芽も緑に色づき始め、街中がどこか華やいでいる。

変わりゆくファッション。心にも変化が
気温が2ケタ台に上がると、どこからともなく人が集まってきて、芝生で日向(ひなた)ぼっこ。春が来たことを実感する光景だ

春といえば、ファッションも花盛り。ショーウィンドーは、ピンク、黄緑、黄色と春色に彩られている。「春服、かわいい〜」と消費意欲がそそられる一方で、コロナ下のこの2年間で明らかに私の中の「洋服への欲求」に変化が生じていることを実感するのだ。

外出が制限され、ステイホーム生活で毎日登場するのはスウェットの上下のみ。お気に入りのワンピースも、ヒール靴も、バッグも、全く出番がなくなった。デパートやブティックが一時閉まっていたことも理由のひとつだが、洋服を買う必然性がなくなってしまったのだ。それを裏付けるように、CFDA(アメリカファッションデザイナーズ協議会)のデータでは、アメリカ全土の2020年4月から5月にかけての洋服の売り上げは、前年の同月比で89%も減少したそうだ。ステイホームを機に、クローゼットで眠り続けている洋服たちをなんとかしなくては、と考えた人も多いのではないか。私もその一人だ。 

変わりゆくファッション。心にも変化が
コロナ下で、久しぶりにミシンを引っ張り出してきて、娘たちと裁縫に勤(いそ)しんだ。無駄なく生地を全部使って、カバンや小物入れを製作
変わりゆくファッション。心にも変化が
マンハッタンの西側に位置するガーメントディストリクト(生地街)には、生地やボタンの専門店が無数にあって、手作り心に火がつく

きっかけは、長女の一言

きっかけは、長女の一言だった。Z世代(1990年代中盤から2010年代序盤に生まれた世代の子どもたち)は、環境に配慮したサステイナブルな社会を重視し、ファッションにおいても製造過程や人や動物がエシカル(倫理的)に扱われているかを注視している。長女はまさにZ世代。保育園に通っていた2歳の頃からすでにファッションに多大なる興味を示し、私の選ぶ洋服には見向きもせず、独自に服を組み合わせて登園していた。

ここNYに移り住んでからというもの、ますますファッションに傾倒し、今では大学でファッションを専攻している。そんな長女は、これまでも縫製工場の労働環境や動物由来の商品を扱っていないか(ビーガン)などを気にして、熱心に調べていた。コロナ下で出番を失っている洋服たちを見かねて、サステイナブルな生活をしたい、リサイクルしたいと考えたようだ。長女の「みんなで洋服をリサイクルしよう」の一言で、家中のクローゼットをひっくり返して、洋服の整理が始まった。

変わりゆくファッション。心にも変化が
ちょっと足を伸ばしてNY大学の学生が集うユニオンスクエアの古着屋さんへ。若者に人気のスポットで、連日、行列ができている。Wardrobe Reboot (リサイクル)花盛り!

気がつくと近所には4軒も古着屋さんがあった。中には、若者に絶大な人気を誇るショップもあって、店先には常に長蛇の列ができている。みんな思うことは一緒なのか、スーツケースやダッフルバッグに大量の洋服を詰めて、「Wardrobe Reboot(=リサイクル)」しに来ている。私も「着てもらえる人がいるなら喜んで」という思いで、30年来の洋服たちを持ち込んだのだった。娘は、洋服はできる限り長く着続けたい、と最近はもっぱらこうした古着屋さんやオンラインのリサイクルサイトで洋服を売買しているらしい。

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