2022年03月27日07時18分
4月4日の東京証券取引所の市場再編に向け、上場企業が資本や投資の戦略を積極的に開示する動きが出ている。特に最上位の「プライム市場」では上場基準が厳格化され、企業価値向上への不断の努力が求められる。このため各社は事業戦略などを見直し、成長軌道を描くことで、投資家の支持を得ようとしている。
「投資家はどの企業を選ぼうかという目線で見ている」―。東証1部上場の大末建設は、1月に個人投資家向け決算説明会を初めて開催。投資家からは配当や事業戦略に関する質問が相次ぎ、自社の優位性をどうやって理解してもらうかを考えるようになったという。
同社は再編で発足するプライムに移行。ただ、流通株式時価総額などの基準を満たさず、「経過措置」の適用を受ける。
基準達成に向け、得意な住宅マンション以外への事業領域の拡大を決定し、投資や配当などの目標値を公表。担当者は「株主の資金をどのように増やし、報いるかという視点で検討した。再編が見直しの契機になった」と話す。
東洋機械金属も基準未達でプライムに移行する。株主への配当などを重視する方針を打ち出し、配当・業績予想を上方修正した。担当者は、市場再編で資金を内部留保から投資に振り向けることが求められるようになったと説明。「再編への対応が成長につながる」と強調した。
みずほ信託銀行によると、中期経営計画を開示する企業も最近増えている。中身にも変化が見られ、昨年秋、主要500社を対象に行った調査では、気候変動対応など財務関連以外の内容や2050年までの長期戦略を盛り込んだ計画が目立ったという。同行は「資本市場に向き合わなくてはいけないという意識が企業に生まれている」(企業戦略開発部)と指摘している。
成長戦略を積極開示 上場企業に変化―東証市場再編 - 時事通信ニュース
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