JR中央線の中津川-名古屋間で5日、JR東海の新しい通勤型電車「315系」がデビューする。今年は、JR発足35年で日本の鉄道開業150年の節目に当たるが、図らずもJR東海の県内区間はダイヤ改正も含め変化に富む年となる。夏までの動きを押さえておきたい。
まずは、5日にデビューする315系。岐阜新聞Webで試乗会の動画を公開すると、1カ月で5千回を超える再生回数となり、期待の大きさがうかがえる。
315系は全ての座席が横並びのロングシートで、全車両に車いすスペース、全編成に車いす対応トイレを置き、防犯カメラやカメラ付き非常通話装置も備える。冷房の温度調節にはAI(人工知能)を使う。国内で初めての試みだ。
更新時期を迎えた現行の211系、213系、311系に替わる新型車両として開発し、中津川-名古屋間では今月中に56両を投入する。この世代交代で211系のうち、旧国鉄から引き継いだ8両も今月中に引退する。2023年度中に特急を除く中津川-名古屋間の全車両を315系に置き換える計画で、将来的には東海道線への投入も見込んでいる。
また、12日にはダイヤ改正がある。特急のワイドビューの愛称がなくなり、高山線は「ひだ」、中央線は「しなの」となる。中央線の中津川-名古屋間は終日全ての列車を8両編成に統一し、平日朝の通勤ピーク時間帯に上り列車を増発する。一方で、ホームライナーは減便。恵那、中津川までの運行を取りやめ、全て名古屋-瑞浪間の運行となる。中央線の下りと高山線の下りでは最終列車の時間が繰り上げになる。
東海道新幹線は、岐阜羽島駅に停車する最終の新大阪行き「こだま」が17分繰り下げの午後10時46分着になる。これにより、東京から帰るときの“終電”も21分延び、同8時54分東京駅発の「のぞみ」に乗れば、名古屋乗り換えでその日のうちに岐阜羽島駅に帰れる。
そして待望の夏。いよいよ7月1日、ハイブリッド方式の新しい特急車両「HC85系」が、高山線でデビューする。現行の特急気動車と比べてエンジンを1車両1台に減らし、騒音を低減。エンジンは発電機を動かし、その電気でモーターを回す。発電しながら走る一種の“電車”だ。
ただ、コロナ禍に入って鉄道利用は大きく落ち込んだ。JR東海によると、20年度の県内の主な駅の乗降客数(1日平均)は、前年度比で岐阜駅が約2万人減の約4万5千人、大垣駅が約9千人減の約2万5千人だった。コロナ禍前は観光客の利用も多かった高山駅は同じく1400人減の約1400人に半減し、中津川駅は約1900人減の約4800人となった。
新型車両のデビューが旅情を誘い、県内観光地に活気をもたらすか-。コロナ禍3年目の行楽シーズンが間もなく幕開けする。
JR東海、岐阜県内区間に変化の波 ハイブリッド特急や新型車両、ダイヤも改正 - 岐阜新聞
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