「海外の衛生意識の変化を取り込み、販売伸ばす」 ＴＯＴＯ・清田徳明社長［挑戦２０２２］ - 読売新聞

　新型コロナウイルス禍で在宅時間が長くなり、国内ではリフォーム需要が好調だ。２０２２年３月期の売上高は過去最高を見込む。海外でも衛生への意識がずいぶんと変わっており、温水洗浄便座「ウォシュレット」が普及してきている米国は、海外事業を伸ばすうえで一段と力を入れたい。

　米国内では従来、ウォシュレットは買う場所が分からないと言われていた。しかし、インターネットサイトのアマゾンや大型量販店「コストコ」など販売網を多様化したことで明確にできた。現地の大手企業と 伍（ご） していくために販売エリアをさらに広げていきたい。

　中間層の所得が上がっている中国も住宅のニーズは底堅く、堅調に伸長する市場だ。現地でのビジネスはもともと慎重に進めていたため中国恒大集団の経営危機の影響は小さいと考えており、海外事業の柱として伸ばしていく。

　３０年度に住設事業の売上高に占める海外の割合を現状の２５％から５０％以上にする目標に向け、スピード感をもって取り組んでいきたい。

　一方、原材料や部品の価格はかつてないほど上昇し、調達しにくい環境になっている。水栓金具に使う銅材料やウォシュレットに用いる半導体に加え、衛生陶器を焼く天然ガスも高くなっている。輸送コストも同様だ。海外では競争相手とのにらみ合いの中で、製品の販売価格に転嫁している。日本市場も何かしら動かざるを得ない環境にあり、対応を検討している。

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