Rechercher dans ce blog

Tuesday, December 21, 2021

トナカイ狩るホッキョクグマの珍しい映像、温暖化で食性変化か:時事ドットコム - 時事通信

2021年12月22日13時04分

トナカイ狩るホッキョクグマの珍しい映像、温暖化で食性変化か

【オスロAFP=時事】ホッキョクグマがトナカイを水中へ追い落とし、引きずり上げて、その肉をむさぼる──衝撃的なシーンが初めて映像として捉えられた。地球温暖化で海氷が解け、北極圏の王者の食習慣も変化しているのだろうか。(写真は北極圏のノルウェー領スバルバル諸島でトナカイを追う雌のホッキョクグマ)
 劇的な光景が繰り広げられたのは2020年8月21日、北極圏のノルウェー領スバルバル諸島。夏場は海氷が後退し、ホッキョクグマの主な捕食対象であるアザラシを連れ去ってしまう。
 そうした中、現場に近いポーランドの観測所チームが、トナカイを仕留めるホッキョクグマを世界で初めてカメラに収めた。映像には、若い雌のクマが雄のトナカイを冷たい海へと追い込み、捕まえて溺れさせた後、岸辺に引き揚げて食べる様子が捉えられていた。
 「まるでドキュメンタリーを見ているような、驚くべき場面でした」と、ポーランド・グダニスク大学の生物学者イザベラ・クラシェビッチ氏は語った。

■「深読みすべきではない」との意見
 あまりにもまれな光景を目にした同氏は、他の研究者2人と論文を共同執筆し、学術誌「ポーラー・バイオロジー(極地生物学)」に投稿した。今回の出来事は、アザラシを捕食する機会が限られ、ホッキョクグマが以前にも増して陸生動物を狙っていることを示す観察例だと論じている。
 北極点から1000キロ余りに位置するスバルバルでは、ホッキョクグマの出没について警告する看板を見かける。一帯には約300頭のクマと2万頭前後のトナカイが生息している。
 論文の著者らによると、ホッキョクグマがトナカイを襲う頻度は、この数十年で増えているとみられ、その背景には二つの要因があると考えられるという。
 一つは、海氷が後退したため、クマが以前より長期間にわたって陸に取り残されていること。もう一つは、1925年に禁猟になったトナカイの個体数がスバルバルで着実に増加していること。つまり、トナカイを捕食することは必然であると同時に好条件でもあるというのだ。
 しかし、あまり深読みすべきではないとする専門家もいる。
 カナダ・アルバータ大学のアンドリュー・デロシェール教授は、「1950年代や60年代にホッキョクグマがトナカイを殺していたら、それを目撃することはとても珍しかったに違いありません。当時、(スバルバルには)人もクマもトナカイもほとんどいなかったからです」と指摘する。
 「今ではさまざまなメディアがあり、誰もがカメラやソーシャルメディアを利用している。だから『ニュース』はたちまち広がります」

■氷がない
 ホッキョクグマは高脂肪、高カロリーのワモンアザラシやアゴヒゲアザラシを主食としているが、卵や鳥、齧歯(げっし)類、イルカを餌にすることも知られている。
 それでも新しい食習慣が、ホッキョクグマの個体数維持に変化をもたらすことはないとの見方を示す専門家もいる。
 カナダ野生生物局のイアン・スターリング教授は、「トナカイの捕食に時折成功することは、1、2頭のクマにとっては(そしてメディアにとっても)短期的に有益かもしれないが、ホッキョクグマやトナカイ全体の個体数から見れば、ほとんど意味をなさない」と言う。
 また、アルバータ大のデロシェール教授も、スバルバルのホッキョクグマにとって未来は暗いと悲観的だ。
 同氏は、「ホッキョクグマの個体数を維持するために必要なだけの氷がない」ことを指摘し、「この傾向が続くなら、スバルバルを含むバレンツ海に生息するホッキョクグマは、今世紀中に消滅するのではないかと懸念している」と話した。【翻訳編集AFPBBNews】

〔AFP=時事〕

この記事の英文はこちら【英文時事コム】

Adblock test (Why?)


トナカイ狩るホッキョクグマの珍しい映像、温暖化で食性変化か:時事ドットコム - 時事通信
Read More

No comments:

Post a Comment

男性のインナー事情に変化…ワイシャツ姿を格上げする2万円超の“高級インナー”が売れるワケ | 高くても買いたい - 文春オンライン

 スーツを着る際、シャツの下にはどんなインナーを着るものだろう? 普通の白Tやタンクトップ、何も着ないなど選択肢はさまざま。  そんな男性のインナー事情に今、変化が起きている。ヨーロッパや日本の肌着ブランドが販売している高級インナーが人気を博しているのだ。人目につかないし、ユニ...