(左)1943年のニューヨークの地下鉄車内、(右)2022年にデビュー予定の最新車両。
Bettmann/Contributor; Marc A. Hermann/MTA
- アメリカ、ニューヨーク市の地下鉄は2022年に新型車両を導入する予定だ。
- 1900年代の初めから、ニューヨーク市の地下鉄はこの街の象徴となっている。
- これまでの変化を写真とともに振り返ろう。
ニューヨーク公共図書館の2015年のブログポストによると、ニューヨーク市の最初の鉄道は1800年代、地上を走っていたという。
1897年、混雑したケーブルカー。
Museum of the City of New York/Byron Collection/Getty Images)
その後、19世紀が終わりに近付くにつれ、鉄道は道路の上を走るようになったという。
1885年、ニューヨーク市最初の電車。
Culture Club/Getty Images
当時のNew York Tribuneのオピニオン記事によると、1888年3月のグレート・ブリザードは地下交通機関の必要性を際立たせたという。この暴風雪で列車は雪に埋まり、運行を休止した。
1888年3月のグレート・ブリザードの後、通りには大量の雪が残っていた。
Bettmann / Contributor/Getty Images
Source: New York Tribune via New York Public Library
1904年10月、ニューヨーク市最初の地下鉄が開業したと、ニューヨーク・タイムズが報じた。
1904年、ニューヨーク市最初の地下鉄の試乗会。
Bettmann/Contributor/Getty Images
Source: The New York Times via Newspapers.com
ニューヨーク・タイムズによると、地下鉄が開業したことでニューヨーカーの通勤時間が短縮され、自宅で過ごす自由時間が増えたという。
1903年、女性専用車両。
Historica Graphica Collection/Heritage Images/Getty Images
Source: The New York Times via Newspapers.com
1925年までに、平均的なニューヨーカーは年間276回地下鉄を利用するようになっていたと、ロナルド・レイス(Ronald Reis)氏は2009年の著書『The New York City Subway System』に書いている。
地下鉄の車両の周りに集まったインターボロー・アンド・パブリックサービス・コミッションの関係者(1920年、ブルックリン)。
Paul Thompson/FPG/Getty Images
Source: "The New York City Subway System"
『The New York City Subway System』によると、1930年代にニューヨーク市直営のIND(Independent Subway System)の路線が開業し、1930年代末までに競合していたブルックリンを拠点とするBMTとマンハッタンを拠点とするIRTを吸収した。
1932年、新しい地下鉄が開業した。
Bettmann/Contributor/Getty Images
Source: "The New York City Subway System"
ニューヨーク交通博物館によると、INDの車両はBMTの車両よりも速く、IRTの車両よりも大きかったという。
1930年代、地下鉄の車内。
Historica Graphica Collection/Heritage Images/Getty Images
Source: New York Transit Museum
レイス氏の著書によると、IND、BMT、IRTは1939年に統合された。
1940年、新聞を読みながら地下鉄に乗る男性。
Hulton Archive/Getty Images
Source: "The New York City Subway System"
1953年、ニューヨーク市は改札に硬貨を使用するシステムの代わりに地下鉄の代用硬貨(トークン)を使用するシステムを導入したと、New York Public Radioは2012年に報じた。
トークンを使用するシステムは1953年に導入された。
Gerald Herbert/NY Daily News Archive via Getty Images
Source: New York Public Radio
ニューヨーク交通博物館によると、1950年代の車両には丸窓が付いていた。
1954年の車両。
AP Photo
Source: New York Transit Museum
1950年代以前は地下鉄の車両にエアコンは付いておらず、扇風機が回っていた。
1948年の車両。
NY Daily News Archive via Getty Images
ニューヨーク交通博物館によると、ニューヨーク市は1950年代半ば、初めて地下鉄の車両にエアコンを設置した。
1955年、新しい車両に乗るニューヨーク市交通局のウィリアム・フーレン(William Fullen)氏。
Bettmann / Contributor/Getty Images
Suorce: New York Transit Museum
ただ、ニューヨーク交通博物館によると、エアコンは2週間もしないうちに故障し、水が乗客に滴り落ちた。エアコンは撤去されたという。
1961年、地下鉄を利用する人々。
GHI/Universal History Archive via Getty Images
Source: New York Transit Museum
エアコンが初めて上手く機能した車両は1967年にデビューしたと、The Daily Newsが同年7月に報じた。エアコンのおかげで車内は約7度涼しくなったという。
1969年、エアコン付きの新しい車両の試験運行に立ち会う当時のニューヨーク市長ら。
AP Photo/OR
Source: The New York Times via Newspapers.com
1970年代までにグラフィティ・アーティストらは「市の地下鉄を世界最大の落書きボードに変えた」と、The Sunは1972年に報じた。
1970年代、地上に引き上げられた落書きだらけの地下鉄車両。
Smith Collection/Gado/Getty Images
Source: The Sun via Newspapers.com
そして、ニューヨーク市はこうした落書きを隠すために多くの車両を赤く塗ったと、The Daily Newsは1972年に報じた。
赤い車体の「レッドバード」。写真は2003年、引退前の最後の運行時に撮られたもの。
Mario Tama/Getty Images
Source: Daily News via Newspapers.com
ただ、グラフィティ・アーティストらは新しく塗られた地下鉄車両をまっさらなキャンバスとして使い続けたと、The Daily Newsは1980年に報じた。
1972年、駅に停車中の落書きをされた車両。
National Archives/Getty Images
Source: Daily News via Newspapers.com
それはニューヨーク市が警備を強化し、落書きされた車両をきれいにする取り組みを加速させた1980年代終わりまで続いたと、ニューヨーク・タイムズは1988年に報じた。
2002年12月13日、タイムズスクエア駅。
REUTERS/Jeff Christensen JC/HB
Source: The New York Times
「きれいだった車両に落書きをされたら、その車両はすぐに、再びきれいにされるまで使用中止になる」と同紙は伝えた。
1988年、地下鉄の車内を解体する従業員。
AP Photo/Warren Jorgensen
Source: The New York Times
1989年のニューヨーク・タイムズの報道によると、ニューヨーク市交通局(New York Transit Authority)は当時、地下鉄への落書きはなくなったと話していた。
1989年。
AP Photo/Warren Jorgensen
Source: The New York Times
そして、Curbed New Yorkによると、1980年代にニューヨーク市が導入した車両は現在でも3系統、B系統、D系統、G系統で使用されているという。
2018年、G系統を利用する乗客。
Drew Angerer/Getty Images)
Source: Curbed New York
1990年代初め、メトロカード(MetroCard)が初めて導入されたとニューヨーク・タイムズが2008年に報じた。同紙によると、無制限のカードは1998年まで導入されなかった。
メトロカードを使用する乗客。
Linda Rosier/NY Daily News Archive via Getty Images
Source: The New York Times
ニューヨーク市交通局カスタマーサービス担当のシニア・バイスプレジデント、ジャック・ラスク(Jack Lusk)氏は1993年、メトロカードの導入は1939年に3つの鉄道会社が統合して以来、「地下鉄文化における最大の変化」になるだろうとニューヨーク・タイムズに語った。
1996年。
Bonn -sequence / ullstein bild via Getty Images
Source: The New York Times
2000年には新型車両が導入されたとニューヨーク・タイムズが報じた。
Bud Williams/NY Daily News Archive via Getty Images
Source: The New York Times
同紙によると、新しい車両はドアの幅がこれまでより広く、車両の調達契約によると、跳ね上げ式の優先席が備え付けられた。
新型車両の優先席。
Budd Williams/NY Daily News Archive via Getty Images
Sources: The New York Times, New York City Transit contract via Transit Innovation Partnership
ニューヨーク・タイムズによると、サインボードや車内放送、乗客の現在地をライトアップして示す地図など、新しい車両はデジタル化ももたらした。
2002年。
David Butow/Corbis via Getty Images
Source: The New York Times
2005年、最新車両には乗客に停車駅と現在地を示すデジタルボードが付いていると、ニューヨーク・タイムズが報じた。
2005年に導入された新しい車両。
Craig Warga/NY Daily News Archive via Getty Images
Source: The New York Times
通勤客のマリア・ロメロさんは、新しい車両は自身が普段利用している車両よりも「3倍進歩した」ように感じたとニューヨーク・タイムズに語った。2006年にGothamistが報じたように、保有車両のアップデートを除けば、新型車両が導入されたのはこれが最後だった。
2005年の新型車両。
Craig Warga/NY Daily News Archive via Getty Images
Source: The New York Times, Gothamist
2021年7月のニューヨーク州都市交通局(MTA)のプレスリリースによると、ニューヨーク市は2022年にこれまでで最も進化した車両を導入する計画だ。
最新車両。
Photo: Marc A. Hermann / MTA
Source: MTA
ドアの幅は既存の車両より約20センチ広くなり、デジタルスクリーンもアップグレードされるという。
Photo: Marc A. Hermann / MTA
Source: MTA
この最新車両は2022年夏にデビュー予定だ。同プレスリリースによると、一部で車両間はドアでなく、オープンギャングウェイになるという。
Photo: Marc A. Hermann / MTA
Source: MTA
7月のもう1つのプレスリリースでは、車椅子を使う乗客のためのスペースもこれまでより広くなるとしている。ニューヨーク州都市交通局によると、ドアの幅が広くなることで地下鉄は障がい者にとって、より利用しやすいものになるという。
People test the new subway car's priority seating.
Marc A. Hermann / MTA
Source: MTA
[原文:Photos show how New York City's subway system has changed over the years]
(翻訳、編集:山口佳美)
写真で見る、ニューヨーク市の地下鉄の変化 - Business Insider Japan
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