産業技術総合研究所の駒崎友亮研究員らは、空気中の湿度の変化を利用して発電する「湿度変動電池=写真、産総研提供」を開発した。5ミリアンペアの電流を取り出すことができ、1ミリアンペア以上の出力を1時間以上継続できた。昼夜の温度変化に伴い空気中の湿度は数十%変動する。置いておくだけで発電するIoT(モノのインターネット)機器の電源として期待される。
塩化リチウム電解液を、イオン交換膜を挟んだ二つの空間に分ける。片側を密閉し、もう片方を大気と接触させて空気中の水分を吸わせる。塩化リチウムは吸湿性が高く、十数%の湿度で水溶液になる。このため開放系の塩化リチウム電解液は空気中の湿度変動で塩濃度も変動する。
密閉系と開放系で塩濃度に差ができるとイオン交換膜をリチウムイオンが移動し、配線に電流が流れる。塩素は銀と塩化銀の混合電極に吸収されたり放出されたりする。電池として内部抵抗が小さく、数ミリアンペアレベルの電流を取り出せるようになった。十数%以上の湿度があれば電池になり、わずかな湿度変動で発電する。
成果は英国王立化学会誌「サステナブルエナジー&フューエルズ」に掲載された。
日刊工業新聞2021年6月
産総研が開発した「湿度変化で発電できる電池」がスゴい!|ニュースイッチ by 日刊工業新聞社 - ニュースイッチ Newswitch
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