長野県が県内で起きた山岳遭難事例について配信している「島崎三歩の山岳通信」。2021年3月31日に配信された第218号では、期間中に起きた北アルプス唐松岳八方尾根の遭難事故について取り上げ、この時期特有の変わりやすい天候変化について注意喚起している。
3月31日に配信された『島崎三歩の「山岳通信」』第218号では、期間中に起きた2件の山岳遭難事例について説明。以下に抜粋・掲載する。
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3月20日、北アルプス後立山連峰の唐松岳で、単独で入山した65歳の男性が八方尾根を下山中に発病。丸山ケルン付近の登山道で男性が倒れているとの通報があり、県警ヘリが出動して男性を救助したものの、搬送先の病院で死亡が確認さた。
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3月26日、北アルプス後立山連峰の唐松岳で、八方尾根スキー場から唐松岳に向けて入山した57歳の男性、および29歳の男性が、それぞれ八方尾根を下山中に天候不良のため道に迷い、行動不能となる山岳遭難が発生。大町警察署山岳遭難救助隊員及び北アルプス北部地区山岳遭難防止対策協会救助隊員が出動して、2人を救助しました。
北アルプス唐松岳での遭難現場の状況/長野県警察本部ホームページ山岳遭難発生状況(週報)3月29日付
長野県警山岳安全対策課からのワンポイントアドバイス
3月3週は1件、4週は1件の山岳遭難がありました。唐松岳八方尾根の遭難は、吹雪や霧により視界がなくなる「ホワイトアウト」により、ルートを見失って進んでしまい、行動不能になったものです。雪上でホワイトアウトになると、数メートル先も見えなくなり、方向感覚を失うリスクがあるほか、周辺の地形を確認することや他の登山者の踏み跡をたどることも困難になります。場合によっては、視界が回復するまでビバークをしなければならないため、日帰り登山でも、万が一に備えた装備を必ず携行しましょう。また、この時期は周期的に天候が変わり、午前と午後では、天候が大きく変化する場合があります。気象予報を確認し、入念な計画をお願いします。
新型コロナウイルス感染拡大防止のため、登山を考えている方は地域ごとの最新情報を確認し、慎重な計画と行動をお願いします。
長野県では、新型コロナウイルス感染症拡大防止のため、昨年から「長野県内入山注意報」を継続し、「登山者への5つお願い」を発表しています。登山者の皆さんは、十分にレベルを落とした山域を選び、感染防止対策にご協力をお願いします。
島崎三歩の「山岳通信」
信州の山岳遭難現場と全国の登山者をつなぐために発行。「登山用品店舗スタッフ」「登山情報サイトを利用する登山者」「長野県内の各地区山岳遭難防止対策協会」などに対して、長野県の山岳地域で発生した遭難事例を原則・1週間ごとに、「安全登山」のための情報提供をしている。
この時期は午前と午後でも天候が大きく変化することもあります。島崎三歩の「山岳通信」第218号 - 株式会社 山と溪谷社
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