2023年08月06日07時12分
自民党が、9月2日投開票の国民民主党代表選の行方を注視している。自民との距離感が争点となる中、結果次第で与野党の構図が変化しかねないためだ。国民の連立政権入り構想が再燃する可能性もある。
「他党の代表選なのでコメントは控える」。自民の茂木敏充幹事長は1日の記者会見で、国民代表選が与野党の構図に与える影響を問われたが、慎重な言い回しに終始した。
国民代表選は、玉木雄一郎代表と前原誠司元外相の一騎打ちとなる。
玉木氏が主導する形で、国民は昨年度予算に賛成。先の通常国会でも、立憲民主党が提出した岸田内閣不信任決議案に反対するなど、与党寄りの姿勢が目立つ。次期衆院選でも立民などとの候補者調整を拒否しており、自民ベテランは「都合がいいのは玉木氏に決まっている」と言い切る。
自民内では、水面下で国民の連立入りを模索する動きも続く。両党幹部による定期的な会合が取り沙汰され、国民内には「自民から閣僚ポストを打診されたようだ」(ベテラン)との臆測も飛び交う。
こうした中、「非自民」勢力の結集を掲げる前原氏が支持を伸ばせば、仮に玉木氏が勝利しても、路線転換を余儀なくされる可能性がある。自民幹部は「玉木氏にどれだけの人が付くかがポイントだ」と指摘した。
実際、野党からは前原氏を支持する声が相次ぐ。立民の泉健太代表は4日の会見で「自民党に代わる政権づくりに、できる限り多くの政党が賛同してもらいたい」と述べ、自民に傾斜する「玉木路線」の見直しを期待。日本維新の会の馬場伸幸代表は「どちらに近いか問われれば前原氏だ」と明言した。
もっとも、旧民進党代表だった前原氏は、旧希望の党への合流を決断。民進分裂につながった苦い記憶が、立民内のリベラル系議員の間には生々しく残る。重鎮の一人は「前原氏が国民の代表になれば、立民の有志を集めて維新に合流しかねない」と警戒感をあらわにした。
自民、国民代表選の行方注視 与野党構図に変化、連立構想再燃も - 時事通信ニュース
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