古いシャツとジーンズを着ると、そんなに弾けもしないギターを提げて歌いたくなる。伝説のバンド「ニルヴァーナ」のフロントマン、カート・コバーンのスタイルだからだ。マフィア映画に憧れて、祖父から70年代のスーツをもらったこともある。ファッションリーダーといえば、やはりミュージシャンや映画スターだ。
ただ、最近は変化を感じる。若者の間でアニメ人気が高まり、よりサブカル寄りの世界からも、そうした存在が生まれ始めている。
例えば2年ほど前、声優の前田佳織里さんが着用した「しまむら」のパーカがSNSでバズり、全国の店舗でファンによる争奪戦が起きたことがある。声優がディレクションするブランドの期間限定店に、朝から若い女性たちが並ぶ光景も取材で目にした。どれも局地的ではあるが、確かな熱量を持った消費傾向だ。
ファッションリーダーがインフルエンサーという言葉になり代わった今、若者の趣味嗜好(しこう)の多様化に合わせて、その影響範囲は日々細分化している。アンテナの広さと行動の素早さが、より強く求められる世の中になってきた。
(夏)
《視点》ファッションリーダーの変化 - 繊研新聞
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