新田祐大はどうなっていく
新田祐大(36歳・福島=90期)が前橋競輪場で開催された「第31回寬仁親王牌・世界選手権記念トーナメント(GI)」を制して史上4人目のグランドスラム達成を果たした。すぐに京王閣競輪場で29日に開幕する「開設73周年記念ゴールドカップレース(GIII)」で晴れ姿をお披露目とは、めでたいものがある。
決勝のレースは大混戦でのもので…だが、新田の今年の走りは明らかに今までとは、はっきりと違うものだった。タテ中心に、自力で制圧するものから、位置を取るレースへと変化を見せていた。
その一つひとつのレースでは結果を残せないかもしれないが、“そういうレースをする”というところを見せて、これからの“新田祐大”を作っていこうとしていた。番手を回る機会も増え、求められるものも変化する。「グランドスラマーとしての進化」がキーワードになる。
平原康多が期待する後輩の姿
本人も感じているだろうが、ファンからしても器用なタイプではない。競輪の自力と追い込みは全く違う職業とも言われるほどで、平原康多(40歳・埼玉=87期)ですら苦労していないわけではない。新田は努力の人なので、ちょっとずつ、大きな進化につなげていくと思う。
平原の決勝はどうだったか…。前を任せた吉田拓矢(27歳・茨城=107期)が巻き返しに行ったところで、3番手に収まった。結果的には幸運のようで不運。平原は「結果論だけど、そのまま叩いてしまった方が良かったと思う」と振り返った。
吉田としては絶好の位置が取れた。それは間違いない。平原とのワンツーも、見える。しかしそこに違和感が感じられたのは、平原だったら叩いているという残像があるから。レースを制圧する、もうひとつ上の走りがあったはずで、そこが現在の“拓矢の壁”なのだと思う。ぶち破ってほしい。
古性優作の決勝は…
今回は新田がいて、平原がいて関東勢は立ち直ってほしい宿口陽一(38歳・埼玉=91期)や眞杉匠(23歳・栃木=113期)、吉田有希(21歳・茨城=119期)、追加の坂井洋(28歳・栃木=115期)、地元からは鈴木竜士(28歳・東京=107期)らが結束を図る。
古性優作(31歳・大阪=100期)はどう打開するか。「決勝の先行勝負」がカギになる。あのメンバー、また構成で選んだ先行は、明らかに近畿の系譜の表れだった。具体的に言えば“ラインでチャンスを作る”、抽象的に言えば“競輪って何?”ということへの答えだった。
古性の進化にも注目したい。
ガールズのルーキー戦
最終日(1日)の3Rではガールズケイリンの「ルーキーシリーズプラス2022」が行われる。先輩たちの壁に当たっている新鋭たちだが、打ち破る可能性だけを秘めている。
同期での戦いの中で意地を張り合い、今を争うことは、これからへの大きなプラスになるだろう。藤原春陽(20歳・徳島=122期)のように、先行や位置取り、レースにおいて様々な試行錯誤をしている状況もある。すべては先につながるもの。
ガールズケイリンの新人選手はいきなり高い壁に当たり、最初から活躍するのは非常に困難な建付けになっている。だが、先につながる扉は開かれている。まだ始まったばかりの戦いを見守ってほしい。
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【ゴールドカップレース】グランドスラム達成の新田祐大、「変化」と「進化」を続ける | 競輪コラム - netkeirin(ネットケイリン) - netkeirin(ネットケイリン競輪)
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