欧州中央銀行(ECB)政策委員会メンバーのナーゲル・ドイツ連邦銀行総裁は11日、現在の消費者物価トレンドが続く場合、ECBは利上げ継続を求められるとの見解を示した。
ナーゲル氏は、ECBが8日に0.75ポイントの利上げを決めたことについて「明確なサインだった」とした上で、インフレの状況に変化がなければ、さらにはっきりした対応が必要だ」とドイチュラントフンクとのラジオインタビューで発言した。ECBはデータ次第だと述べ、そのような引き締めの大きさに関するコメントは避けた。
政策委の議論に詳しい複数の関係者によれば、インフレ見通しがそれを正当化するのであれば、ECB当局者は10月に再び大幅利上げを決定する用意がある。
ECB当局者、10月の0.75ポイント再利上げを排除せず-関係者 (1)
ナーゲル氏はインフレ率が12月に10%を上回る水準でピークに達することになりそうだと予想。「2023年を通じて物価状況は幾分弱まるものの、6%超のあまりに高過ぎる水準にとどまる可能性が高い」と語った。1月にドイツ連銀総裁に就任した同氏は、ECB政策委のタカ派メンバーの1人として知られる。
ECBのエルダーソン理事は11日、オランダのテレビ番組「ブイテンホフ」のインタビューで、「中長期的なインフレ期待が不安定にならないことが重要だ」と指摘し、追加利上げが見込まれると説明。「ECBが2%の物価目標を達成すると人々や企業、経済の参加者が全般に信頼を維持することが不可欠だ」と主張した。
欧州がリセッション(景気後退)に陥れば、インフレ圧力に対抗する利上げはより難しくなりかねないが、ナーゲル氏は「インフレの進行を再び制圧する」ことを明確な課題と位置付け、「ECB政策委内部でもそれは共有されている」との認識を明らかにした。
ナーゲル氏によれば、経済成長が停滞し、場合によっては22年後半に縮小した後、こうしたトレンドが来年にかけ継続する可能性を示す「幾つかの兆候」が見られるものの、いかなるリセッションも軽度にとどまる公算が大きい。
「つらい時期を乗り越える必要はあるかもしれないが、少なくとも現状では、その時期と経済生産の落ち込みはそれほど厳しくなさそうだ」と同氏は分析した。
原題:
More Clear ECB Steps Needed If Inflation Lingers, Nagel Says (1)(抜粋)
(ナーゲル氏とエルダーソン理事の発言を追加して更新します)
ECBは利上げ継続が必要、物価状況に変化なければ-独連銀総裁 - ブルームバーグ
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