大振りをせず、体を振らずに確実性を高めるスイングに挑戦
ソフトバンクの今宮健太内野手が打撃面での変化をうかがわせている。宮崎春季キャンプ第3クール3日目の12日に行われた紅白戦では左中間スタンドへチーム実戦1号となる2ランを放つなど、2安打。前日の紅白戦でも安打を放っており「昨日もヒット出て、今日もヒットが出て、感覚的には悪くないのかな、と思いました」と手応えを感じている。
不動のショートストップとして、ソフトバンクを支えてきた今宮だが、近年は故障に悩まされる日々が続いた。昨季は125試合の出場で、2012年のレギュラー定着後では最低となる打率.214に終わった。川瀬晃内野手や牧原大成内野手が虎視眈々とその座を狙い、ドラフト4位では社会人の野村勇内野手が加入。さらに今季はメジャー通算1102試合に出場した実績を誇る名手フレディ・ガルビスも加わり、レギュラーの座も危うくなっている。
その守備力は折り紙付きなだけに、復活の鍵を握るのはバッティング面と、いかに怪我をしないかにかかっている。その打撃面では大幅な“モデルチェンジ”を敢行。昨季までは「大振りプラス体を振ってしまうので、自然とバットが体から離れたりとか、そういったのでファウルになることが多々あった」と痛感。体を振らずに、コンパクトにバットを振ることで確実性を高められるように取り組んでいる。
「ミスショットが減ってくれば、自ずと率は上がってくるんじゃないかなと思っています。自分の悪いところはハッキリ見えてますので、体を振ると捉えられるボールも捉えられない。そういうところは意識してます。率を上げるためには長打よりも、一発で仕留めていい打球を打つ、結果それがヒットになればいい、と。試合になると力が入るんですが、しっかりとそれを制御できるようにと思っています」。一発長打よりも確実に捉えること。キャリアでまだ1度も到達していない3割に近づきたいところだ。
30歳になり、今季はガルビスも加入。競争は激しくなる一方で、藤本博史監督は今宮をショートだけでなく、サードやセカンドとして起用するプランも持つ。自身も「試合に出るためにはそういうことも考えないといけない時期に来ているのかなとも思いますけど……」と口にしつつも「まだまだ体は動くと思っていますので、そう思っている以上はショートを目指してやっていきます」と、本職へのこだわりを滲ませる。
「実際にはまだ言われていないので、やるんだったら今頃練習してるんじゃないのかな、と。ショートをやってる人間が簡単にできるものでもないので。開幕でまずショートでレギュラーを取れるようにというのを最大の目標にしてやっているので、そのために実戦で結果を残してアピールしていきたいと思います」。打撃面で確かな変化を感じさせる今宮。こだわりが詰まったショートの座を守るために、必死のアピールを続けていく。
(福谷佑介 / Yusuke Fukutani)
鷹・今宮健太の打撃面での“変化” 二塁&三塁挑戦プランも遊撃にこだわり - Full-Count
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