現時点では、最高情報責任者(CIO)の将来は明るいといえるだろう。CIOが持つスキルに対する需要は高く、IT予算も増加傾向だ。企業の経営陣も、デジタルトランスフォーメーション(DX)によってビジネスがどう変わるかに注目している。
ゴルフのヨーロピアンツアーとライダーカップで最高技術責任者(CTO)を務めているMichael Cole氏は、正しい視点を備えているIT担当役員には、ビジネスを長期的な成功に導くことができる大きなチャンスがあると話す。
現代のITリーダーの役割は、必ずしもテクノロジーを掘り下げることではないとCole氏は考えている。同氏によれば、成功とはデジタル化されたビジネスを実現することだ。Cole氏は、それこそが自分がリーダーとして、そしてCTOとして情熱を傾けていることだと話す。
「IT担当役員の役割は、この数年で大きく変化した。私は、デジタル化されたビジネスを管理するというコンセプトが、今後のCIOの重要な要素になると考えている」と同氏は言う。
コンサルティング会社のGartnerも、これからのIT担当役員は、技術の運用よりも、事業部門が求めている成果の実現を重視するようになると考えている。
Gartnerの調査担当バイスプレジデントJohn-David Lovelock氏は、賢明なCIOは、この2年間の主な仕事だった重要で短期的なプロジェクトから、長期的なビジネス目標に重心を移していくはずだと述べている。
ビジネス中心の変革を起こそうとするCIOには、与えられる予算も増える。Gartnerの最新の予想によれば、2022年の世界的なIT支出の総額は、2021年よりも5.1%多い4兆5000億ドルに達するという。同社は、経済回復とデジタル化による事業繁栄への期待によって、今後も引き続きテクノロジー投資は拡大すると考えている。
ビジネスのデジタル化が広がっていることは、人材紹介会社であるHarvey Nashの年次レポート「Digital Leadership Report」の調査結果で、本質的に「技術企業」だと考えてよい企業の比率が50%に近づいていることからも分かる。
これらの大規模な変革の多くは、(もしまだ始まっていないとすれば)2022年中に始まるだろう。企業は新たな製品やサービスを生み出すことでビジネスのあり方を再構築し続けており、この作業は経営陣の最優先事項となっているからだ。
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