NHKが昨年末に放送した番組「河瀬直美が見つめた東京五輪」で、五輪反対デモの参加者が金銭をもらって動員されたとする裏付けのない内容の字幕が流された問題で、同番組に出演した映画監督の島田角栄さんが20日、NHKに対して抗議したことを明らかにした。
島田さんは「昨日のNHKの会見内容について」と題した談話で「昨日NHKの定例会見があり、BS1スペシャル『河瀬直美が見つめた東京五輪』における不適切字幕問題に関する質疑応答において、『プロデューサーから真偽の確認をするよう指示を受けたディレクターが、男性がデモに参加する予定があると話した事を島田に確認し、それを報告した』という主旨の説明がされました。しかし、以前より申し上げている様に、これは島田が取材した事実と異なります。かつ、放送前に担当ディレクターからの事前確認はありませんでした」と主張。19日にNHKに抗議し、訂正を求めているという。
この問題は、同番組内で島田さんが「五輪反対デモに参加しているという男性」を取材している場面で「実はお金をもらって動員されていると打ち明けた」という字幕が付けられた。放送後に抗議が殺到したことを受け、NHKが再度事実確認したところ、男性が東京五輪反対デモに参加したかどうかを確認していなかったことが判明。放送倫理・番組向上機構(BPO)は、NHKに対して文書で報告を求めることを決めた。
この件について、NHKは「今回は、取材制作の過程で、ジャーナリストの基本である事実確認がおろそかになったことに加えて、チェック機能がきちんと働かなかったことが原因で、島田監督には何ら責任はなく、責任はすべてNHKにあります。今後も関係者のヒアリングを続けて、再発防止に向けて取り組みを続けて参ります」と回答。放送前に事実確認があったかどうかについて、島田さんと主張が食い違っていることに関しては明言を避けた。
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