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Monday, January 17, 2022

水島新司さん死去 功績を称えて佐伯達夫、内村祐之に次いで3人目となる辞退からの野球殿堂入りを望む - スポーツ報知

 野球漫画の大家、水島新司さんが亡くなられた。私の世代の野球漫画といえば「スポーツマン金太郎」(寺田ヒロオ)、「ちかいの魔球」(ちばてつや=作者は福本和也)「投げろ健一」(辻なおき)、初期の「巨人の星」(川崎のぼる=作者は梶原一騎)などが印象に残っている。

 水島さんの漫画といえば南海ホークス(現ソフトバンクホークス)を舞台にした「あぶさん」だ。ビッグコミック・オリジナルの連載がスタートした1973年はパ・リーグが2シーズン制がスタート。前期を南海が制したこともあってタイミングよく引き込まれ、1990年代までは毎号楽しみにしていたものだ。この「あぶさん」は1976年の日本シリーズ期間中に、朝日新聞の“天声人語”にも取り上げられたのも記憶に鮮明だ。

 また、「ドカベン」では1死満塁でのスクイズがフライになってゲッツーとなった時に、3アウト目より先に走者が生還すれば得点が入るというルールで、社内でも話題になったこともあり、野球規則を熟知した水島さんを改めて思い知らされた。一方、景浦将、藤村富美男のタイガースの往年の名選手を取り上げて、主人公の名前にするなど、プロ野球の造詣の深さとともに、野球少年を虜にした功績は大きい。

 野球殿堂の特別表彰の候補としても2018年から3年間、3票、5票、3票と票を得ていたが、自らの断筆もあって候補からの辞退を2020年末に申し入れた。かつて高野連で尽力した佐伯達夫会長が、1965年に殿堂に選出されながら辞退を申し入れたことがある。また、プロ野球のコミッショナーも務めた内村祐之さんも生前、候補を打診されながら辞退し続けていた。

 ただし、佐伯さんは亡くなった翌年、内村さんも亡くなってから2年後に、特別表彰で殿堂入りを果たしている。この例にならって、日本の野球の底辺を大きく広げた功績を称え、水島さんを再び候補に入れて殿堂入りを考えてみるのもいかがなものだろうか。

 蛭間 豊章(ベースボールアナリスト)

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