アメリカの労働参加率は45年ぶりの低水準となっている。
Maskot
- 格付け会社のS&Pは、人々は構造的な理由とパンデミック特有の理由により、仕事を辞めていると報告している。
- 構造的な理由として、スキルのミスマッチや退職率の上昇などが挙げられている。
- 研究者たちは、より多くの人がワクチンを接種すれば、労働力として復帰すると予測している。
アメリカの格付け会社スタンダード・アンド・プアーズ(Standard & Poor's:S&P)が2021年11月発表したレポートによると、記録的な数の離職者が出ていることは「経済の構造的な変化」を示しているという。
ベス・アン・ボヴィーノ(Beth Ann Bovino)が主導したこの世界的格付け機関による調査では、労働力の流出の背景には2種類の要因があると結論付けられている。退職率の上昇やスキルのミスマッチといった構造的な問題と、勤務場所のミスマッチやウイルスへの不安、育児への障害などのようなパンデミック特有の問題だ。研究者によると、パンデミック特有の問題がより大きな原因ではあるが、どちらの要因も、新型コロナウイルスの感染拡大によって悪化したと言う。
2021年は仕事を辞める人の数が記録的に増え続け、それを「大退職(Great Resignation)」と呼ぶ人もいる。S&Pによると、アメリカは現在、労働参加率が45年ぶりの低水準にあるという。アメリカ労働統計局(BLS)によると、2021年7月から9月の間に1270万人のアメリカ人が離職した。これは、政府が記録を取り始めてからの20年間で最大の辞職数だ。
辞職をする人が増えると、企業は雇用の確保に躍起になるものだが、労働統計局の最新の雇用統計によると、2021年11月の雇用は減速したという。1000万人以上の求人があるにもかかわらず、1200万人以上が長期間失業していたり、仕事が見つからなかったり、パートタイムで働いていたりする。これらのことから、アメリカ人が求める仕事と求人がある仕事の間に大きなミスマッチがあることがわかる。そしてそのミスマッチはすぐには解決できるものではない。
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人手不足はアメリカ経済の「構造的な変化」をパンデミックが助長して起きた…S&Pが分析 - Business Insider Japan
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