
新型コロナ禍が子どもに与える影響の深刻さがうかがえる、憂慮すべき調査結果である。
文部科学省の問題行動・不登校調査によると、2020年度に小中学校で30日以上欠席した不登校の児童生徒は19万人を超え、前年度より約1万5千人増えて過去最多だった。
不登校は近年、増加傾向にあるとはいえ、文科省はコロナ対策の一斉休校などによる生活リズムの乱れが要因との見方を示している。妥当な分析だろう。
痛ましいことに、小中高校から報告があった自殺者も415人と最多だった。原因は家庭不和や進路を巡る悩みなどさまざまだが、前年度比で約100人もの増加は尋常ではない。
新型コロナ感染症の拡大から2年になろうとしている。強い閉塞(へいそく)感が社会を覆う。学校でも級友と距離を取る。「黙食」では給食も楽しめまい。窮屈な生活や我慢の連続は、子どもの成長に暗い影を落としているのではないか。文科省には、より踏み込んだ調査を求めたい。
一方、いじめの認知件数は減少した。対面での交流機会が減り、いじめが減ったという見方がある。ただ休校やオンライン授業でいじめの発見が難しくなり、被害が潜在化している懸念もある。感染やワクチン接種の有無などもいじめのきっかけになりかねない。注意が必要だ。
学校では漠然とした不安を訴える子どもがいるという。教職員が日頃から、児童生徒に丁寧に向き合い、行動変容の兆候を早期に把握することが大切になる。国や教育委員会はスクールカウンセラーなどの配置や派遣の拡充を急ぐべきだ。
保健室や図書室といった教室と異なる居場所を校内に設けるだけでなく、フリースクールなど校外の「学び」も積極的に認めてほしい。子どもを精神的に追い詰めないこと、孤立させないことが肝要だ。「SOSの出し方教育」にも力を入れたい。
今回の調査では、感染回避を理由に30日以上登校しなかった小中高生が約3万人いたことも分かった。オンライン授業は「学び」の遅れを防ぐ有効な手段だが、実施の環境には地域や学校の間で格差があるという。専門家が警鐘を鳴らす冬場の感染「第6波」に備え環境整備を急ぎ、学習機会を確保したい。
ワクチン接種者の増加とともに、社会は感染予防と日常生活を両立する方向へ転換していくだろう。子どもたちの暮らしもまた変化し、新たなストレスが生じがちだ。過去の大きな災害では、子どものストレスは一定の時間を経てから噴出した。
教職員や保護者など周辺にいる大人が子どもの小さな変化を見逃さず、成長を支えたい。
不登校・自殺最多 子どもの変化を見逃すな - 西日本新聞
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