「調べると、市場に屋外用家具はすでにたくさん出回っているのですが、多くは海外製で、大型で単体でしか使えないものがほとんど。ならば、公共空間や複合商業施設はもちろん、店先やバルコニーといった限られたスペースでも使えるように、コンパクトながらも空間に合わせて多様に拡張できないだろうかと考えたのです」(安西)
DRILL DESIGNは、井口産業が扱う丸型や角形のパイプ材の形状に注目。そこから、一筆書きのようにアウトラインを描きながら、シンプルで愛らしさも感じる親しみやすいフォルムを生み出した。
「こだわったのは、接合のあり方。井口産業立体製作所の高い技術力を反映するために、可能な限り接合部が表立って見えないようにデザインしたことで、特徴的な形に仕上がりました」(林)
《プール》は2人掛けのベンチから、大人数でも使用できるピクニックテーブルまで展開できる拡張性の高さがポイント。幾何学的なフォルムの《テラス》は、壁に沿うよう、フラットなデザインに。そして《カスケード》は、回転軸で自由に角度を変えられるベンチ&テーブルというように、3つのシリーズがそれぞれ使われる場所を想定し、デザインされている。屋外での過ごし方が多様化する昨今、街中のさまざまな場所で〈ハイカラー〉を見かけることになりそうな予感がする。
自在に変化し、拡張するオープンエアファニチャー。 - カーサ ブルータス
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